文書電子化とは?メリットや法律からサービスの選び方まで網羅的に解説

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2023年11月21日 配信
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文書電子化とは?メリットや法律からサービスの選び方まで網羅的に解説

文書電子化とは?メリットや法律からサービスの選び方まで網羅的に解説
オフィス環境改善・施設管理

紙の書類をデジタルデータに変換して保存する「文書電子化」は、紙の書類の紛失や劣化といったリスクを避けられるだけではなく、検索性やデータ共有といった点でもメリットがあります。
今回は、文書を電子化することによるメリットや導入時の注意点、サービスを選ぶ際の注意点などをご紹介します。

文書電子化とは?

文書電子化とは、紙の文書をデジタルデータに変換し、パソコンやスマートフォンなどの電子機器で閲覧・保管できるようにすることです。

文書電子化によって作成されたデジタルデータを「電子化文書」と呼びます。よく似た用語として「電子文書」がありますが、これは、初めからパソコンやスマートフォンで作成され、パソコンで編集が可能なデジタル文書を指します。
近年、環境保全やリモートワークの浸透から、ビジネスの現場のペーパーレス化が求められており、文書の電子化は、企業として時代の要請に応えるためにも必要とされる取り組みです。

文書電子化のメリット

ここでは、文書電子化のメリットをご紹介します。

文書の保管スペースやコストを削減できる

紙の文書を管理する場合は、倉庫や書庫といった保管スペースが必要になります。また、紙やファイル、バインダーの購入やプリントアウトの費用、文書を取引先に郵送するための費用などもかかります。加えて、文書量次第では文書管理の業務担当者が必要になる場合もあります。文書を電子化することで、これらに関連するコスト削減も期待できます。

検索性が向上する

日々の業務の中では、次々と新たな文書が作成されます。紙の文書の場合、目的の書類をスムーズに探し出すためには、そもそもファイルをルールに則して管理しておく必要があります。文書が大量になると、探し出す時間もかかるでしょう。
一方で、電子化された文書はファイル名や更新日時なども記録されるため、キーワードや日付、作成者などで簡単に検索ができます。そのため、紙の文書よりもスピーディーに目的の文書を探し出せます。

文書の共有がしやすくなる

紙の文書の場合、複数人に共有するには文書の元本やコピーを渡す必要がありますが、文書を電子化しておけば、パソコンなどで簡単にデータのやり取りができ、共有がスムーズになります。
また、電子化したデータをクラウド上に保存しておけば、複数人で同時に閲覧・編集することも可能になり、文書の活用度が大きく向上するでしょう。

紙の劣化や紛失を防げる

紙には、長い年月による黄ばみやシミ、破れ、インクの退色といった劣化が伴います。紙の品質や保管の状況、取り扱いの頻度などによっても異なりますが、全く劣化させないことは不可能でしょう。さらに物理的な紛失のリスクも高まります。
一方、電子化した文書は、基本的には劣化することはありません。しかし、電子化した文書データにおいても、圧縮した場合や異なる形式に変更した時には破損してしまう可能性がある点には注意が必要です。

文書電子化の注意点

ここでは、文書を電子化する際の主な注意点をご紹介します。

法律の関係で文書電子化ができない場合もある

文書電子化に関わる法律には、e-文書法や電子帳簿保存法があり、電子化したい文書が法律の要件に当てはまっているかを把握しておく必要があります。
例えば、現物性の高い免許証や許可証、船舶に備える手引書の書類は、e-文書法で電子化の対象外とされており現物で保管しておく必要があります。このように、すべての文書においてペーパーレスが推奨されているわけではなく、文書の種類によっては紙で保管すべきものもあるため、注意が必要です。

導入時に初期コストがかかる

過去に作成された紙文書を適切に電子化するには、スキャナーやOCR(光学文字認識:画像データのテキスト部分を認識し、文字データに変換する技術)などの電子化機器やデータ保管のためのシステムなどの導入が必要になり、ソフトウェアのアップデートにも費用がかかります。加えて、組織内の運用ルールのマニュアル化や利用者へ向けた説明会の実施、などの手間もかかります。
このような文書電子化の導入時のコストも、考慮しておく必要があります。

文書の種類によって電子署名やタイムスタンプが必要なケースがある

e-文書法や電子帳簿保存法の要件として、電子署名やタイムスタンプが定められている場合があります。「誰が作成したのか」を電子署名で、「いつ作成したのか」をタイムスタンプで証明するためです。
このようなルールに対応できるように、電子署名やタイムスタンプが必要な文書の種類の確認や、付与する方法も検討しておく必要があります。

文書電子化を実現するためのステップ

文書電子化とは?メリットや法律からサービスの選び方まで網羅的に解説

ここでは、紙の文書を電子化する際の流れをいくつかのステップに分けてご紹介します。

目的と目標を決める

文書電子化にあたって、事前に目的と目標を明確化します。
コスト削減、情報管理といった目的や目標を立てて組織の共通認識とすることで、従業員に文書電子化の必要性や意味を理解してもらい、能動的な取り組みを促します。

電子化するべき文書を検討する

組織のすべての文書を電子化するのではなく、電子化すべき文書とそうでないものを区別します。対象となる文書を精査しておくことで電子化の手間を少なくすることができ、電子化後の文書の閲覧や編集もスムーズになるでしょう。
文書を精査する際は、現場担当者へのヒアリングを行い、日々の業務内容に即した文書を残すようにして、該当する法律の要件をもとにチェックしていくことが大切です。

ファイル名や運用方法のルールを決める

電子化した文書の運用ルールを定めて、組織の誰が取り扱っても文書の信頼性や検索性が担保されるように整える必要があります。例えば、ファイル名やサイズ、解像度、ファイル形式、保存場所、保存期限、更新のルールといった点が挙げられます。

電子化する方法を決定する

文書をどのように電子化するかも決めておく必要があります。 電子化にはスキャンをして画像化する以外に、画像データから文字を抽出しテキストデータにする「OCR処理」をする場合があります。手間はかかりますが、OCR処理でテキストデータにすることで文書内の文言をキーワードで検索が可能になります。
また、社内のルールとして、文書をどのように電子化するかを決めておくことも重要です。

文書電子化サービス・システムを選ぶ際に注意するポイント

文書電子化にあたっては、電子化業務を代行して行う専門サービスや、電子化した文書を適切に管理する専用システムの利用が便利です。ここでは、サービスやシステムを選ぶ際のチェックポイントをご紹介します。

スキャンの解像度は最適か

スキャンした文書の文字が正確に読めるか、画像が劣化していないかといった「見読性」は、基本かつ重要なチェックポイントです。事前にシステムやサービスを試用することができる場合には、電子化された文書を一度プリントアウトして、正確に読めるかどうかを確認しておくと良いでしょう。

セキュリティ対策は万全か

サイバー攻撃は日々巧妙化しています。文書の中には経営情報や、取引先の機密情報、従業員の個人情報といった機密性の高い情報も含まれるので、文書電子化サービスやシステムを導入する時には、セキュリティ対策を確認することも大切です。
加えて、トラブル時のサポート体制が充実していることも、文書電子化サービスやシステムの選定ポイントです。

サービスの提供価格は妥当か

文書電子化サービスやシステムの導入にあたっては、初期費用やランニングコストもチェックしておく必要があります。
一度電子化すれば終わりというわけではなく、取引先企業からの要請に応じて、新たに電子化を進めるなど、臨機応変な対処が必要になる場合もあります。長期間運用していくことを考慮し、継続して利用できる価格設定になっているかという確認も重要です。

まとめ

文書電子化とは?メリットや法律からサービスの選び方まで網羅的に解説

デジタル社会への対応やリモートワークなどの多様な働き方、ペーパーレスによる環境保全といった観点から、文書電子化への対応が求められています。
文書の電子化はサービスやシステムの導入によって効率的かつ正確に進めていくことをおすすめします。

パソナ日本総務部文書電子化ワンストップソリューションでは、機密文書の運搬、スキャニング、記録媒体への保存、ウェブ保管環境の構築、システムの検索ルール設定、原本の廃棄まで、組織の文書の電子化をワンストップで支援しています。文書量が膨大で、自社内で電子化を完遂することが難しいといった場合には、ぜひ検討してみてください。

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