オフィス移転で総務がやるべきタスク!注意点やスムーズに進めるコツを紹介!

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2021年05月11日 配信
2024年03月12日 更新

オフィス移転で総務がやるべきタスク!注意点やスムーズに進めるコツを紹介!

オフィス移転で総務がやるべきタスク!失敗しないスケジュール作成
オフィス環境改善・施設管理

リモートワークの普及や、オフィスワークと組み合わせたハイブリッドワークの導入など、働き方の多様化が進んでいます。コスト削減やオフィススペースの有効活用などの狙いもあり、既存のオフィスを新たな場所へ移転することを検討中のケースも多いのではないでしょうか。 しかしながら、オフィスの移転は大規模なプロジェクトとなり、とくに「企業組織全体のサポート役」として活躍する総務部門にとって大きな負担となることもあるでしょう。 そこで今回は、オフィス移転に際して総務がやるべきタスクを、スケジュール作成から実際の作業に至るまで整理してご紹介します。

オフィス移転で総務がやるべきタスク!まずは全体スケジュールを作成しよう

オフィス移転で総務がやるべきタスク!まずは全体スケジュールを作成しよう

社内でオフィス移転の計画が正式に決まったら、まず行うべきは「全体スケジュールの作成」です。
オフィスの移転時には単なる引っ越し作業以外にも非常に多くのタスクがつきものなので、綿密なスケジュールがなくては移転を成功に導くことは難しいでしょう。そのため総務としてオフィス移転のプロジェクトを進行する際には、全体のスケジュールをしっかりと作り込むことが重要です。

具体的には「移転先の選定」「現オフィスの解約」「新オフィスへの移転」「引っ越し後の原状回復」といった大まかなタスクを洗い出し、工事や手続きにかかる日程を試算して全体にかかる時間や工数を見積もることがこれにあたります。

スケジュール作成の注意点

スケジュール作成時にはさまざまな点に注意を払うことが求められますが、とくに「余裕をもった日程を設定すること」がポイントです。各工程には思いのほか時間や手間がかかるタスクもあり、時には旧オフィスと新オフィスで必要な作業を並行して進める場合もあります。

解約時期を把握する

スケジュール設定でとくに重要なのが、旧オフィスの解約時期を把握することです。単に契約上の解約日を確認しておけばよいのではなく、各オフィスビルの契約条件に沿って処理を進める必要があります。
一般的には「退去日の6カ月前」が解約通告のタイミングと定められた契約条件が多いようで、そこから逆算して長期的な視点のもとスケジュール設定を行うことが求められます。

退去に際してはほとんどの場合、事前に「原状回復」を完了していることが条件とされます。そのため原状回復工事の日程なども把握した上で、解約時期から逆算してスケジュールにどの程度の猶予があるかを試算する必要があります。
6カ月前という期限は余裕があるようにも思えますが、実際には引っ越しや原状回復工事などを含めるとタイトなスケジュールとなることが多いです。

注意点としては、管理会社へ解約を予告してからは意思表示を撤回できないことです。これは、民法540条2項に定められています。
「原状回復が進まないから退去日を変えてもらおう」などと安易に変更できるものではないため、現実的なスケジュールを設定することが大切です。

参照: 民法 | e-Gov法令検索

外注会社は早めに選定

解約タイミングの把握と同じく重要なのが、移転に際する外注会社を早期から選定しておくことです。前述の通りスケジュールを解約時期から逆算すると意外にも余裕がなく、非常にタイトな進行が求められる場合も多くあります。
そのため工事会社や引越業者などオフィス移転に欠かせないパートナー企業の選定は、計画の初期段階から進めておくことが重要です。予算内で十分なパフォーマンスを発揮してくれる外注先を見極めるためにも、商談や相見積りなどにかける期間を十分に準備できる状態が望ましいでしょう。

オフィス移転に伴う主な外注企業は、下記のように多岐にわたります。
● 旧オフィスの原状回復を請け負う施工業者
● 新オフィスの内装工事を請け負う施工業者
● 新オフィスの通信・セキュリティ・電気工事を請け負う施工業者
● オフィス什器やOA機器、観葉植物などの取扱業者
● 引越業者
● オフィス什器やOA機器の不用品回収業者

一方で、多岐にわたるタスクに対応するパートナー会社をそれぞれ選定するのは非常に労力がかかります。これら外注先をまとめて管理するなど、移転プロジェクトを一括して請け負うパートナー企業を選ぶのも選択肢の一つです。

新オフィスでの事業再開のためのインフラ整備

オフィス移転は基本的に自社都合であるため、移転の影響により事業が滞らないように注意することが重要です。新オフィスに移動してもすぐに事業を再開できるよう、インフラ整備には細心の注意を払っておく必要があります。
電気やガスなどのライフラインはもとより、電話やインターネット回線などの通信インフラの停止は、事業に及ぼす影響が大きくなります。
また、「トラブルは起きるもの」と想定し、新オフィスの稼働時には、プロジェクトにかかわった関係業者に立ち会ってもらうなどの対策をとっておくと安心です。

以上が、オフィス移転の成否を分けるスケジュール作成です。

オフィス移転に伴って総務がやるべきタスク一覧

オフィス移転で総務がやるべきタスク!失敗しないスケジュール作成

オフィスの移転は組織全体で行う一大プロジェクトですが、とくに主導権を握るのは総務部門となることが多いでしょう。
ここでは、より具体的な「オフィス移転に伴うタスクの一覧」を、それぞれ「旧オフィス(現在の場所)で行うこと」「新オフィス(移転先)で行うこと」の2点に分けてご紹介します。

旧オフィスでのタスク

旧オフィスで行う主なタスクは、「現入居先の解約手続き」と「移転に伴う原状回復」の2点です。

旧オフィスの解約

オフィス解約の際には、前述したようにおおむね「6カ月以前」のタイミングで契約先のビル管理会社や不動産業者へ解約予告を行う必要があります。あわせて敷金や保証金返還の有無の確認、返金タイミングの確認も実施します。事前に設定したスケジュールにのっとり、「解約・退去の時期をいつ頃に設定すればよいか」といった視点のもと、逆算して進めていくとよいでしょう。

オフィスの解約に関する取り決めについては、ビル管理会社との賃貸借契約書に明記されているので、オフィス移転を検討する際は、最初期の段階で確認しておく必要があります。管理会社に解約を伝えるための書類が事前に用意されているケースもありますので、あわせて確認してみてください。

さらには解約~移転に伴う社内への正式な日程通知なども、このタイミングで行う必要があります。通常業務とのスケジュールの兼ね合いも考慮した上で、無理のない進行をすることが大切です。

旧オフィスの原状回復

オフィスの解約時期が決定したら、続いては後述する「新オフィス構築に必要なタスク」を推し進めることになります。それと並行して、旧オフィスの原状回復工事に向けた諸手続きも進めていきます。
具体的には「契約先指定の工事業者があるか」「自社主導で行うべき工事範囲はどの程度か」「工事費用の見積金額はどの程度か」「工期はどのくらいかかるか」といった事柄を確認の上、原状回復と退去に向けた手続きを進めていくこととなります。 指定業者が存在しない場合は、このタイミングで複数の外注先候補の選定や見積依頼なども行う必要があるでしょう。

なお、原状回復の範囲についても賃貸借契約書に明記されているのが一般的です。自社が負うべき原状回復の内容が想定以上に広い場合もあります。その場合、原状回復工事に時間が必要になることも考えられるでしょう。
工事が遅延すると、その間の賃貸料金や違約金も支払う必要が出てくるため、早い段階で工事の範囲とスケジュールをよく確認し、工事業者に相談しておくと安心です。

旧オフィスの引き渡し

旧オフィスの原状回復が完了したら、管理会社に連絡して引き渡しに立ち会います。

引っ越し後は、新オフィスの運営におけるタスクに追われがちになりますが、原状回復の進捗確認をおろそかにしてはいけません。管理会社に旧オフィスの引き渡しが問題なく完了すれば、旧オフィスにおける作業の完了となります。

新オフィスの構築に必要なタスク

ここでは移転先となる新オフィスを構築し、円滑な業務体制を組み立てるために必要なタスクについてご紹介します。以下のタスクを考慮した上で全体スケジュールを決定するとよいでしょう。

レイアウトの作成、工事の手配

オフィス移転の初期段階でまず行うことになるタスクが、新オフィスのレイアウト作成と工事手配です。立地や規模感、移転の目的などを踏まえ、内装やデスクの配置といった構造の大枠を決定します。例えば「増員したのでオフィスを大きくしたい」「テレワーク勤務者の増加に伴い、機能をコンパクトにしたい」など、移転理由に合わせたレイアウトを意識するとよいでしょう。
さらに、あわせて新オフィスの工事を行う外注先の手配も実施します。新しいオフィスの管理会社によっては、工事業者が指定されていることも珍しくないので、必ず事前に確認しておくことをおすすめします。

工事は数日にわたる場合もあり、立ち会いを求められることもあります。スケジュールや立ち会いのタイミングなどもチェックが必要です。
オフィスレイアウトをプランニングする際は、専門業者ならではの知見からアドバイスをしてもらうとよいでしょう。

従業員ごとに固定のデスクを設けない「フリーアドレス」や、チームの情報共有を促す「オープンスペース」、周囲に気兼ねすることなくオンラインでのやり取りができる「Web会議用スペース」の増設など、オフィスのあり方も変容しています。レイアウトのプランニングにあたってはプロの意見も取り込むことで、時代に合わせた従業員の働きやすさを実現でき、従業員の満足度向上や採用活動時のアピールにもつながるでしょう。

オフィス什器・OA機器の選定と発注

レイアウトの決定と工事業者の選定と同タイミングで、あわせてオフィス家具の選定・発注も行います。旧オフィスから流用することができる什器の有無をチェックしつつ、新たな購入やリース契約が必要かどうかを確認します。新天地のレイアウトに合わせて、無理のないアイテム選定を行うことがポイントです。

同時に、家具やOA機器の購入・リース契約を進めるのに際し、各業者への見積り依頼や発注なども進める必要もあります。アイテム選びだけに留まらないタスクとなるため、スケジュールは余裕をもって設定することがおすすめです。 場合によっては、移転に応じて不用となる什器やOA機器などが発生することもあります。新たな家具や機器の選定と同時に不用なアイテムもリスト化しておき、廃棄業者の手配もあわせて実施しましょう。

引っ越しの手配

レイアウトや新たなオフィス什器の準備が整ったタイミングで、いよいよ引っ越しの手配を進めます。他の外注先と同様に引越業者の選定時には必ず相見積りを行い、費用や具体的な作業内容を比較して納得できるパートナーを選定するよう意識することが重要です。

また、信頼できる事業者であるかどうかも、引越業者の選定で重要な視点です。オフィスの引っ越しの際は、情報漏洩につながる機密書類や高価な機材などの移動を業者に任せることになります。新旧オフィスの内装を傷つけることもリスクとして考えておく必要があるでしょう。
引っ越しを安心して任せられる業者かどうかを判断するには、「引越安心マーク」の有無が一つの目安となります。これは、公益財団法人全日本トラック協会によって優良業者と認定された証です。相見積りの合計金額だけで比較せず、このような信頼性も判断の基準にすることが重要です。

参照: 引越事業者優良認定制度(引越安心マークについて) | 全日本トラック協会 | Japan Trucking Association

また、引越業者によっては産業廃棄物処理業者を紹介してくれることもあり、コストと工数を比較すると結果的にメリットが上回ることもあります。とくにある程度の事業規模がある組織の場合、移転時には大量の不用品が出ることが想定されるため、業者選定のタイミングで廃棄物の引き取り可否も確認するとよいでしょう。

社内マニュアルの整備

引っ越しの手配を終えたら、続いては社内用の移転マニュアルを整備し、各部署へと必要な準備を進めるよう呼びかけます。
また、さらに具体的な移転スケジュールの共有や、移転に際しての印刷物・ドキュメントの一新、引っ越し当日の役割分担や部署ごとに必要な対応の確認など、全般にわたり細かなタスクを改めて整理し、説明会などの場を設けて社内に共有します。

下記は、社内マニュアルに記載する項目の一例です。
● オフィス移転の目的
● 新オフィスのデザインやレイアウト
● オフィス移転に伴うタスクの役割分担
● オフィス移転に伴う社外対応のルール
● 問い合わせ窓口
● 移転スケジュール

なお、通常業務の進行に支障をきたさないよう、詳細の共有から移転の実施までは少なくとも2カ月以上の期間を設けることがポイントです。

各種届出(移転申請・住所の変更・転送手続きなど)

オフィス移転に際して行うべきタスクは、退去や原状回復に関するものだけではありません。

ガスや電気、水道、電話やインターネット回線などの新オフィスのライフラインは、移転の日が決まってからすぐに手続きをすることが大切です。また、移転後も旧住所へ郵便物や宅配などが送付されることを考慮し、移転日までに郵便局への転送手続きも行います。

新オフィスへの移転完了後も、速やかな手続きが必要な項目は山積みです。
代表的な手続きとして、税務署には法人税の取り扱いに関する異動届出書、警察署への自動車保管所証明申請書や安全運転管理者変更届の提出などの他にも、年金事務所や労働基準監督署およびハローワーク、法務局などへの各種変更手続きなどがあります。
また、契約している金融機関における登録内容の変更手続きも忘れず行いましょう。

なお、届出の内容や種別によっては、移転元と移転先が同一管轄である場合とそうでない場合で手続き方法や処理内容が異なることもあります。

取引先やパートナー企業にも、移転が決定したタイミングで早めにお知らせすることをおすすめします。目安としては、移転の2〜3カ月前までには通知できるように準備しましょう。取引先によっては、締結している契約書の住所の変更を求められる場合もあります。

対外的な情報発信においても、拠点や連絡先の変更をアナウンスすることを忘れないようにしてください。ウェブサイトやSNSのアカウント情報などを適切なタイミングでメンテナンスすることも重要です。

そして、移転によって休業期間が発生する場合は、とくに注意が必要です。休業期間によって思わぬトラブルが発生しないよう、さまざまな相手に配慮しておくことが大切です。

オフィス移転で総務がやるべきタスクをスムーズに進めるコツ

オフィス移転で総務がやるべきタスクをスムーズに進めるコツ

さまざまなタスクをこなさなければならない総務の立場として、オフィス移転をスムーズに達成するには、「チェックリストの作成」と「オフィス移転専門業者の活用」の2点をおさえるのがポイントです。

チェックリストの作成

日常の業務もある中で、オフィス移転に伴ういくつものタスクをこなしていくには、進捗状況を随時把握することが必要です。総務が担当するすべてのタスクを洗い出した「チェックリスト」を作成し、進捗状況を確認します。

チェックリストは実施スケジュールの順に項目を立てて、所要時間や完了期限なども記載しておくとスムーズな進行に役立てられます。各タスクの担当者名や、外部業者を含めた関係者についても記載しておくと、ミスやヌケモレの防止につながり、担当者が不在時の状況確認にも役立ちます。

オフィス移転専門業者の活用

総務にとって、行政手続きや工事の発注などは日常の業務でもよく発生するタスクです。しかし、オフィスの移転そのものを頻繁に経験することではないでしょう。総務スキルのある従業員にとっても、限られたスケジュールの中で滞りなくオフィス移転の手続きを行い、高いパフォーマンスを発揮できるオフィスレイアウトを実現するといったことは容易ではありません。担当者の負担を軽減し、オフィス移転の価値を高めるには、オフィス移転のプロに外部委託することも選択肢の一つです。

オフィス移転の際は、引越業者やレイアウトに伴う工事、OA機器やオフィス家具の選定など、さまざまな取引先との見積りや発注などのやり取りが発生します。オフィス移転専門業者に依頼すれば、これらの窓口が一本化できるので大幅な業務負荷の軽減につながるでしょう。

また、業務実績が豊富でノウハウのある業者からは、新オフィスの適切なレイアウトプランニングを提案してもらうことも期待できます。オフィス移転の目的や実現したい要望などを明確に伝えて、プランに反映してもらうとよいでしょう。

まとめ

オフィス移転で総務がやるべきタスク!失敗しないスケジュール作成

今回はオフィス移転についてのポイントを、スケジュール設定から移転の実行までに想定されるタスクまで詳しく解説しました。とくに総務部門は移転のプロジェクトリーダーを担う役割となるため、経営陣とも密接に連携しながら各作業を進めていくことが大切です。

しかしながら、近年ではさまざまな社会情勢が影響し、「すぐには現オフィスを解約できないが、縮小の必要に迫られている」「出社人数の減少に伴い増えた空きスペースを有効活用したい」といったケースもあるでしょう。
オフィスの運営を担う総務としては、さらに一歩先の情勢変化を見据え、例えばサードプレイスとしてのシェアオフィス活用など、状況に応じてフレキシブルな判断をしていくことが求められるでしょう。

パソナ日本総務部では、オフィスの移転にかかわる各業者の調整、レイアウト、移転作業の指揮など、引っ越しに際する膨大なタスクを代行する「オフィス移転・レイアウト変更」を実施しています。幅広いBPOサービスに精通したプロフェッショナルな視点のもと貴社のオフィス移転を成功に導くパートナーとして、ぜひお役立てください。

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