総務の仕事内容

会社内のあらゆる備品の発注・管理

総務の仕事のひとつに、会社内のあらゆる備品の発注・管理があります。消耗品からオフィス什器、従業員用のパソコンなどに至るまで、必要な備品を適切なタイミングで発注・補充します。また、リース契約や修理・メンテナンスの手配も行います。各部署からの備品購入依頼を受けて稟議・承認手続きを進め、取引先との見積もり・納期調整を行うのも重要な役割です。

備品の在庫や使用状況は台帳やシステムで管理し、定期的に棚卸を実施して無駄のない運用を図ります。さらに、コスト削減や環境配慮の観点から、再利用可能な資材や省エネ製品の導入にも取り組みます。
オフィス内外で所有しているあらゆる自社の備品を適切に管理する業務は、総務業務の代表的な仕事だと言えるでしょう。

施設管理

総務の仕事には、会社施設や設備の管理も含まれます。照明・空調設備の点検や整備、防災設備の管理、清掃・警備業者の手配など、オフィスを安全で快適な環境に維持するための業務を担います。
さらに、建物の賃貸契約や保守委託契約の管理、コスト最適化、レイアウト変更やオフィス移転対応なども重要な役割です。
法律で定められた定期点検やメンテナンス、防災訓練の実施、緊急時のトラブル対応など、専門知識や迅速な判断が求められる場面も少なくありません。
このように、施設管理は社員の安全と業務の継続を支える、総務業務の中核的な分野と言えるでしょう。

社内行事やイベントの企画・運営

社内行事やイベントの企画・運営も、総務の仕事のひとつです。これらは従業員同士の交流促進やエンゲージメント向上に有効とされ、総務部門が中心となって企画・実施するケースが多く見られます。
入社式、経営方針発表会、周年行事、ボランティア活動、社内レクリエーションなど、内容は多岐にわたります。総務は年間行事スケジュールの作成や予算確保、会場・機材の手配、従業員への告知、参加者管理、当日の運営までを一貫して担当します。
また、近年ではオンラインやハイブリッド形式でのイベント運営、他部署との連携、リスク管理や安全対策も重要な役割です。

株主総会や取締役会の企画・運営

株主総会や取締役会の企画・運営業務も総務の役割として扱われるのが一般的です。
株主総会は株式会社の最高意思決定機関であり、社内のさまざまな部門が関わりますが、総務部が全体の取りまとめ役として企画・実施を担当するケースが一般的です。株主への招集通知の作成・発送、会場や配信設備の手配、議案書や議事録などの法定書類の準備・保管など、対応すべき業務は多岐にわたります。当日は受付対応、進行管理、リハーサルなどを通して、滞りのない運営を支えます。また、取締役会における開催案内や資料準備、議事録作成なども総務の重要な役割です。

これらの業務では法務部門や外部業者と連携し、法令遵守と機密保持に十分配慮しながらスムーズな運営を実現します。

契約・文書管理

総務の仕事のひとつに、会社が保有する契約書や各種文書の管理も挙げられます。社内では、取引先との契約書をはじめ、社内規程、稟議書、議事録、登記関連書類など、日常的に多くの重要文書が作成・保管されています。特に契約書については、その契約の種類によってそれぞれ法律で定められた法定保存期間に則った管理が必要です。電子契約が普及している現在でも、取引先の都合や過去の紙面契約が残る場合には、原本を社内または外部倉庫で適切に保管する必要があります。

また社内文書については、文書の作成・回覧・承認・保存・廃棄といった一連の流れを社内規程に基づいて管理し、情報の正確性と機密性を維持します。

文書や契約書は、企業活動の根拠となる重要な資産であるため、総務はそれらを体系的に整理・保存し、必要なときに迅速に参照できる体制を整えることが求められます。

こうした契約・文書管理業務は、法令遵守やリスク管理の観点からも、会社運営を支える重要な役割を担っています。

代表電話・来客・郵便物の対応

総務の仕事には、代表電話や来客、郵便物などの対応もあります。
代表電話の応対や総合受付での来客対応は、会社の第一印象を左右する重要な役割です。来訪者の受付や案内、会議室の調整、担当部署への取次ぎなどを丁寧かつ円滑に行うことが求められます。
また、郵便物や宅配便の受け取り・発送・仕分けも総務部門が一括して担当するケースが多く、社内各部署への確実な配送や、不在時の再配達手配なども含まれます。

これらの業務は一見、定型的な業務のように見えますが、社内外との円滑なコミュニケーションを支える重要な業務であり、正確さや丁寧さが求められます。

企業規模による総務の役割の違い

中小・ベンチャー企業

中小・ベンチャー企業における総務は、少人数体制の中で幅広い業務を担当することが特徴です。備品管理や庶務、労務、経理補助、採用・広報など、他部門のサポート業務を兼ねるケースもあり、柔軟な対応力と優先順位を判断する力が求められます。また、経営陣との距離が近いため、経営方針を踏まえた社内制度づくりや組織運営の改善に携わる機会もあります。総務が会社運営の幅広い領域を支える存在となることが多いのが、中小・ベンチャー企業の特徴です。

大企業

大企業における総務は業務が細分化されており、担当分野ごとに専門性が求められる点が特徴です。たとえば、施設管理、文書管理、福利厚生など、それぞれ専任担当者が配置されることが一般的です。また、グループ会社全体を統括する立場として、ガバナンスの維持や法令遵守の徹底を担う場合もあります。業務の効率化やリスクマネジメント、社内制度の企画・運用といった、より戦略的な視点が求められるのが大企業の総務です。

総務に求められるスキル

コミュニケーションスキル

「総務の仕事内容」で説明した通り、総務の役割には他部署や外部からの情報を収集し、適切な部署へ伝達することが含まれます。

適切な情報共有は円滑な業務遂行に不可欠であり、相手の意図や要望を正しく理解し、明確に伝えるコミュニケーションスキルが求められます。加えて、社内行事の企画や運営、来客対応などにおいても、スムーズなコミュニケーションが重要です。相手のニーズや反応を受け止めながら、効果的なコミュニケーションを築くことは、組織内外での人間関係を強化し、業務の質を向上させることにもつながるでしょう。

PCスキル

総務の業務は、データの管理や文書の作成・編集、レポートの作成など、PCを使用した作業が多く含まれます。
Microsoft Officeなどのオフィスソフトを使いこなす能力は、効率的な業務遂行のために欠かせません。また、日々進化するITツールやAI（人工知能）を積極的に活用し、業務効率化などに取り組む姿勢も必要でしょう。
さらに、データセキュリティに関する知識があれば、情報漏洩やデータ損失を防ぐ重要な役割を果たすこともできます。

スケジュール管理スキル

総務の業務では複数のタスクを同時にこなすことが多く、効果的なスケジュール管理が不可欠です。また総務では突発的な依頼や緊急事態にも柔軟に対応する必要があるため、優先順位を考慮しながら業務を遂行する能力が求められます。
スケジュール管理には、タスクの設定と優先順位の決定、適切な期日の設定、進捗の追跡と調整が含まれます。加えて、計画的なスケジュール立案だけでなく、予想外のトラブルへの対応策を考える能力も重要です。
時間の使い方を工夫し、効率的にタスクを遂行することで、業務の遅延や混乱を回避し、生産性を向上させることができます。

会社全体を最適化させるスキル

総務には、従来の備品管理や施設管理、文書管理などの事務的な業務だけでなく、会社全体の経営や組織運営に貢献する役割も求められます。従来のサポート部門としての位置づけから、会社の戦略的な目標達成に関わる存在へとその役割が拡大しているのです。
こうした背景の中で注目されているのが「戦略総務」です。戦略総務とは、既存の総務業務の枠組みにとどまらず、会社全体の目標達成に向けて総務発信で戦略的に行動するアプローチや役割を指します。

戦略総務の具体的な役割は以下の通りです。

総務の役割は、単に自身の業務を遂行するだけでなく、組織全体の業務効率を高めることにも関わります。業務プロセスの改善や効率化を提案し、組織内の課題を解決するスキルも求められるでしょう。必要に応じて、業務効率化や組織の安定運営のために、アウトソーシングなどの外部サービスの活用を検討することも重要です。
他部署と連携して情報を共有し、共通の目標に向けて協力しあうことで、会社全体の業績向上にもつながります。
ビジネスにおける洞察力や分析力を駆使して現状の課題を見極め、全体最適化を図るスキルは、組織の成功につながる重要なポイントとなります。

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総務に求められる資格

日商簿記検定

総務には、建物や機械設備、社用車などさまざまな固定資産を管理する業務があります。また会社規模によっては総務が経理や財務関連のサポートを行う場合もあり、日商簿記検定の知識は非常に役立つでしょう。簿記の基礎知識があれば、固定資産管理や帳簿の確認などを効率良く行うことができます。また資格を取得することで、経理部門との連携がスムーズになり、総務としての業務の幅が広がります。日商簿記は総務の専門性を高めるうえで、有効な資格のひとつです。

MOS（Microsoft Office Specialist）

総務の業務では、文書作成や表計算、プレゼン資料の作成など、Microsoft Officeの活用が欠かせません。MOSは、WordやExcel、PowerPointなどのスキルを証明する資格で、効率的な業務遂行に直結します。資格を取得することで、社内文書の作成やデータ分析、報告書作成などの業務がスムーズになり、業務効率の向上につながります。

認定ファシリティマネジャー資格（CFMJ）

認定ファシリティマネジャーは、総務部門の施設管理業務において重要な役割を果たす資格です。

近年、効率的な施設運営とエネルギーなど資源の最適利用は、組織の競争力を向上させる鍵となっています。この資格により、総務チームは組織内の施設や設備の管理、保守、改善をリードし、働く環境を向上させる使命を果たせます。

ファシリティマネジメントは、ファシリティ（土地、建物、構築物、設備等）の予防保全や設備の定期メンテナンス、セキュリティ対策、緊急事態への備えなど、多岐にわたる領域をカバーすることになります。加えて予算の効果的な配分やコスト削減の取り組みも要求され、ビジネススキルや協力会社との交渉力なども必要とされるでしょう。

認定ファシリティマネジャーは、組織の運営において重要なステークホルダーとして総務の役割を拡大し、組織の成果に貢献します。

ビジネス・キャリア検定

ビジネス・キャリア検定は、総務部門におけるスキル向上に適した資格です。総務業務は多岐にわたるため、コミュニケーション、プロジェクト管理、法務知識、労務管理など、幅広い能力を求められます。
ビジネス・キャリア検定では、これらの幅広いスキルを網羅しており、総務部門が総合的な業務能力を高めるのに役立つでしょう。

特に、実務経験と連動した問題が出題されるため、日常業務との連携を図りながら学ぶことが可能です。資格取得を通じて、ビジネスの多様な側面に対応する能力を身につけることができるでしょう。
さらに、自己学習の習慣を養うことで、新たなチャレンジやキャリアアップに積極的に取り組む姿勢への助けにもなります。

建築物環境衛生管理技術者

建築物環境衛生管理技術者資格は、総務部門における施設管理と衛生管理の専門家として求められる資格です。
総務部門は、大規模な施設や建築物の運営に関わる役割を果たすこともあり、労働環境や安全性を確保する重要なポジションだと言えます。建築物環境衛生管理技術者は、施設の清潔さや衛生面の管理だけでなく、設備の点検、法令遵守、労働者の健康保護においても責任を持ちます。

この資格により、総務部門は労働環境を安全かつ健康的に保ちながら、組織の生産性向上をサポートできるようになります。加えて、設備管理や衛生管理に関する専門知識を持つことで、施設トラブルの予防や効果的な改善策の提案が可能となります。

建築物環境衛生管理技術者は、組織の健全な運営に寄与する専門家として、総務部門の存在感を高めることができるでしょう。

第一種衛生管理者

従業員の安全と健康は、総務部門にとっても重要な課題です。
第一種衛生管理者資格は、労働環境の安全と労働者の健康管理に関する資格であり、資格取得者は労働災害の予防や健康促進など、従業員の安全と健康を守るための施策を計画・実行する責任を担います。
適切な労働環境の整備や、労働者の健康管理を通じて、生産性向上や従業員の満足度向上に寄与するのも役割のひとつです。

また、従業員への衛生教育の推進も行うため、コミュニケーション能力や問題解決能力も求められます。第一種衛生管理者は総務部門において、安全で健康的な労働環境を築くために必要な存在と言えるでしょう。

社会保険労務士

総務の業務には、人事・労務管理や社会保険手続き、給与計算のサポートなどが含まれることもあり、社会保険労務士の知識は大きな強みといえます。資格を取得することで、労働法規や社会保険制度に関する専門知識を活用し、正確かつ効率的な手続きや制度運用が可能になります。さらに、従業員対応や就業規則の整備など、総務としての幅広い業務に貢献できるため、専門性を示すキャリアアップの手段としても有効です。

秘書検定

総務の仕事では、社内外の対応や各種調整、文書作成など幅広い業務が求められます。秘書検定は、ビジネスマナーや文書作成、電話応対、スケジュール管理などのスキルを証明する資格です。取得することで、正確で礼儀正しい対応ができるだけでなく、社内の調整業務や経営陣のサポートも円滑に行えるようになります。総務としての信頼性や専門性を高め、キャリアアップにもつながる資格のひとつです。

防災管理者資格

総務は、オフィスの安全管理や防災対策の実施にも関わるため、防災管理者資格の知識も重要です。この資格を取得することで、防火・防災計画の策定や防災訓練の実施、法令に基づく安全管理を正確に行えるようになります。さらに、災害時の対応手順やリスク管理に関する専門知識を身につけることで、従業員の安全確保や事業継続に大きく貢献できます。

総務部門の1日

出社～午前中

総務部門が出社後にまず行う業務のひとつは、オフィスの消耗品の補充や在庫の管理です。企業によっては、ほかの部署よりも少し早い時間から業務を開始し、メンバーが円滑に仕事をスタートできるよう、事前にサポートを行うこともあります。
始業後は、当日対応すべきタスクを優先度に基づいて整理します。その後、郵便物を仕分けし各部署へ確実に配送するとともに、全社的な連絡事項を適切に伝達します。加えて、メールや電話の確認も行い、緊急の問い合わせや依頼に迅速に対応できる体制を整えます。定型的なタスクを集中して処理することで、午前中の主要業務を効率良く進めます。
この際、進行中の作業などとの兼ね合いを考慮し、スケジュールに狂いが出ないよう調整することも重要です。さまざまな仕事を請け負う総務にとって、進捗確認やタスクの優先順位付けは欠かせません。

午後

午後からは、あらかじめ計画した業務を優先度に沿って着実に進めます。ただし、従業員からの問い合わせや、施設・設備に関するトラブル対応、追加のメール処理など、突発的な対応が発生することも少なくありません。
そのため、できる限り午前中までに定型的な業務を進めておき、日ごとに異なる作業やイレギュラー事案に対応できる体制を整えておくことが重要です。
マルチタスクに追われることが珍しくない総務部門では、「定型業務の効率化」や「当日の依頼を確実に遂行するためのタイムスケジュール管理」などが常に求められます。

夕方～終業前

終業までにその日に進めるべき作業をできるだけ早めに完結させ、明日以降のタスクやスケジュールの整理を再度行います。
一般的に総務部門は、計画的に業務を進めやすいため、他部署と比べて残業は少ない傾向があります。ただし、月末の締め作業や突発的なトラブル対応など、状況によっては時間外労働が発生することもあります。
そのような繁忙期に余裕を持って対応するためにも、日ごろから効率的な業務対応が求められます。

総務の仕事のやりがいとは

ある会社の総務担当者に聞いた「総務の仕事のやりがい」 を紹介します。

【Aさん】
日々たくさんの方々とコミュニケーションを取りながら業務する中で、直接感謝の言葉をいただくことも多くあります。
自分がたくさんの人の役に立っている、という実感を味わうことができて、やりがいを感じられます。

【Bさん】
総務の業務は、備品管理のような日常的に発生する業務や、社内行事やオフィス移転など期間限定の業務など多岐にわたります。
幅広く業務を経験することができ、それをひとつひとつクリアしていくたびに成長する実感を味わうことができます。

まとめ

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パソナ日本総務部のBPOソリューション

BPO(業務委託）で自社のコア業務に人材・資源を集中する

知力と現場力が組み合わさった提案力

パソナ日本総務部が考えるBPO（業務委託）とは、一般的な「業務整理」だけではなく、企業の未来を実現するための「業務改善」を指します。時には、「業務改革」と呼べるような劇的な変化をもたらすこともあります。
そのために必要な人材が、設計を行うコンサルタントと、それを実現するプロジェクトマネージャーです。多面的な知識を有したコンサルタント陣が、経営陣へのヒアリングなどを通して現状を把握。綿密な分析を経て、それぞれのコア・ノンコア領域を整理し、BPOの設計を行っていきます。
その後、プロジェクトマネージャーが、コンサルタントの設計を実現すべく、業務の再現性などを考慮しながら、BPOを実現していきます。