オフィス緑化とは?メリットと成功させるポイント、おすすめの観葉植物をご紹介

近年のさまざまな研究により、植物にはストレスを軽減させる効果や、モチベーション・業務効率をアップさせる効果があることが判明しています。これらの効果をストレスマネジメントに活用するために、オフィス内に植物を配置する「オフィス緑化」に取り組む企業が業種・規模を問わず増えています。今回は、オフィス緑化の概要をはじめ、効果やメリット、成功させるポイントなどについて解説します。また、近年注目されているバイオフィリックデザインソリューション「COMORE BIZ(コモレビズ)」についてもご紹介します。
オフィス緑化とは
オフィス緑化とは、オフィスに観葉植物をはじめとする緑を取り入れることです。その手法はさまざまで、簡単なものには「観葉植物の設置」、大規模なものには「グリーンウォール・カーテンの設置」「自然に囲まれた場所へのオフィス移転」などがあります。
オフィス緑化に取り組んだ場合、従業員のストレス軽減や幸福度UP、企業イメージの向上など、さまざまなメリットを得られます。
実際に、環境省 自然環境局 生物多様性センターが行った「オフィス緑化に関する優良事例調査」によると、オフィス緑化が「仕事中の気分転換になる」「気持ちが落ち着く」「集中力向上・維持が促進されている」「お客様よりオフィスについてほめられる」という効果を発揮していることがわかります。
つまり、オフィス緑化はオフィスの雰囲気を変えると同時に、職場環境をより良くする取組みなのです。
オフィス緑化が注目されている背景
日本では以前から、従業員のストレスが問題視されています。国が推進する働き方改革により、長時間労働の是正や有給休暇の取得が進められていますが、ストレスを感じている従業員の割合はさほど減少していないのが現状です。
この背景から、働き方改革のなかでもとくに「健康経営」が重視されています。具体的には、ストレスの軽減を含む従業員の健康管理に経営視点で取り組むことを指します。
健康経営を実現するためには、業務量を調整したり、リフレッシュできる休憩スペースを設置したりする必要があり、オフィス緑化もその手段のひとつです。
とくにオフィス緑化は取り入れやすい方法もあるため、注目度が高まっていると言えます。
主な効果と役割は?オフィス緑化がもたらすメリット
ここでは、オフィス緑化が人と空間に与えるさまざまな効果をご紹介します。これらの効果を、ストレスマネジメントなどにも活用することも可能です。
1.ストレスを減少させる
植物が視界に入る環境では、精神の安定を示す脳波の「アルファ波」が増幅すると言われています。またアルファ波の増幅によって心拍数の安定や、筋肉の緊張が緩和されることも判明しています。これらの心理的・生理的な作用から、オフィス緑化にはストレスを減少させる効果があるとされています。
なお、植物は「見る」ことに加え、「育てる」ことにも意味があります。千葉大学がまとめた実験結果によると、被験者を「植物を鑑賞するだけ」と「育てて鑑賞する」のグループに分けアルファ波を比較したところ、後者の方がより大きく増幅することがわかりました。もちろん、植物の鑑賞だけでもアルファ波は増幅しますが、せっかくならば長い時間を過ごす職場のデスクに植物を置き、世話をすることもおすすめです。
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2.従業員の幸福度を高める
イギリスのエクセター大学が公表した研究結果では、植物があるオフィスで働く従業員の幸福度は、植物がないオフィスの従業員に比べて47%向上するとされています。近年、企業で重視されているメンタルヘルス対策の観点においても、オフィスに植物を設置することの有効性がわかる結果だと言えます。
オフィス緑化によって従業員の幸福度が高まれば、自然に会話を楽しむようになり、社内のコミュニケーションが活性化することも期待できるでしょう。
またアメリカのテキサスA&M大学は、植物をオフィスに設置するだけで、従業員の問題解決力や認知能力が著しく向上することを発見しています。植物によるリラックス効果が、従業員のパフォーマンスを高め、結果的に企業全体の生産性を底上げするのです。
3.疲労感を軽減する
パソナ日本総務部では、トヨタ自動車株式会社 未来創生センターと株式会社豊田中央研究所との共同研究の一環として、植物と共生しながら働くオフィスタイプの空間を製作し、さまざまな研究に取り組んでいます。その空間を活用してトヨタ自動車・豊田中央研究所が行った実験によると、植物がある空間に入ると人は疲労感が軽減することがわかりました。
4.企業イメージの向上
オフィスに植物があると、取引先や来客者に「SDGsに取り組んでいる」「従業員が働きやすい環境づくりに注力している」と好印象を与えやすくなります。この印象がより広く認知されれば、企業イメージの向上につながるでしょう。
5.パーテーションや家具の代わりになる
植物の設置場所によっては、パーテーションや家具として代用できます。
たとえば、デスク同士の間に植物を設置すれば、圧迫感を与えることなく自然なパーテーション効果が得られます。またカーペット代わりに人工芝を敷けば、視覚的なリラックス効果が期待できるでしょう。
オフィス緑化の具体的な方法
オフィスを緑化する方法は多岐にわたり、導入のしやすさや期待する効果、確保できるスペースによって最適な手法が異なります。ここでは、現代のオフィスデザインで多く採用されている代表的な6つの方法を解説します。
鉢植えやプランターの床置き
観葉植物を鉢に入れて床に置く方法は、最も手軽に始められる緑化手法として多くのオフィスで採用されています。執務スペースの隅やリフレッシュスペース、エントランスなどの空きスペースに配置するだけで、オフィスの雰囲気を明るく変えることができます。大型の植物を設置すれば空間のシンボルやアクセントになりますが、配置にあたっては従業員の動線を妨げたり、日常の業務フローに支障をきたしたりしないよう慎重に計画する必要があります。
天井からの吊り下げ(ハンギング)
天井や窓枠を利用して植物を吊り下げる「ハンギング」は、床面積を占有せずに緑を取り入れられる効率的な手法です。視線の高さに緑が配置されるため、開放的でダイナミックな空間を演出できるだけでなく、デスクワーク中に自然と緑が目に入りやすくなることでリラックス効果や目の疲れを和らげる効果も期待できます。床にスペースがない限られたオフィス環境でも、立体的に緑を増やすことが可能です。
壁面緑化(グリーンウォール)
壁面を植物で覆うグリーンウォールは、限られた空間を最大限に活用しながら大規模な緑化を実現できる方法です。視覚的なインパクトが非常に高く、来客やビジネスパートナーに対しても企業の環境意識やウェルビーイングへの取り組みを強く印象づけることができます。広い面積を緑化することで、空気浄化効果や調湿効果をより高められる点も大きなメリットです。
植物による空間の仕切りと家具一体型
植物をパーティションや家具の一部として活用することで、機能性とデザイン性を両立させた緑化が可能です。大きなプランターを並べてオープンスペースを区切れば、壁のような圧迫感を与えずにプライバシーを確保しながら、空間を緩やかに分割できます。また、最近ではデスクや収納棚にフェイクグリーンがあらかじめ組み込まれた家具も登場しており、省スペースでスタイリッシュに緑を導入したい場合に適しています。
棚やデスクなどの身近なスペースへの配置
キャビネット、書庫、または個人のデスク上といった身近なスペースに小型の植物を置く方法は、従業員一人ひとりが身近に植物を感じられる点が大きな特長です。すぐそばに緑があることで、パソコン作業による視覚疲労の回復を促し、業務中のこまめな気分転換をサポートします。小さなスペースでも手軽に始められるため、全社的な緑化の第一歩として各部署の棚の上などを活用する企業も増えています。
人工芝を用いた床面の緑化
床の一部や一面に人工芝を敷き詰めることで、無機質なオフィス環境を公園のような開放的なリフレッシュ空間へと刷新できます。天然の芝生とは異なり、水やりや刈り込みといった複雑なメンテナンスが不要なため、運用の手間をかけずに土足厳禁のエリアやリラックスゾーンを作ることが可能です。視覚的な変化が大きいため、オフィスの用途や企業文化に合わせて、会議室やリフレッシュエリアなど限定的な導入から始めるケースも多く見られます。
押さえておこう!オフィス緑化を成功させるポイント
オフィス緑化を成功させるには、以下でご紹介する6つのポイントを押さえておくことが重要です。
1.予算を決める
まずは、オフィス緑化の予算を決めましょう。
オフィス緑化は「植物を設置したら終わり」ではなく、継続的にメンテナンスをする必要があります。そのため、植物や鉢、プランターなどの初期費用のほか、メンテナンスに必要な水や肥料、栄養剤などの維持費用もあわせて設定しましょう。
かけられる予算次第で「どの植物をどれくらいの規模で設置するか」「どのように維持・管理するのか」などが決まってくるため、予算を決めることは重要なステップと言えます。
2.社内担当者を決める
計画の立案・進行、維持・管理、トラブル対応などを統括する社内担当者を決めておくと、オフィス緑化をスムーズに進められます。
とはいえ、担当者となる従業員にも当然コア業務があり、状況次第ではオフィス緑化にまで手が回らないこともあります。また、植物に関する知識が不足していることもあるでしょう。そのような場合は、無理に社内から担当者を選出せず、専門業者などに委託するのも一案です。
3.動線を踏まえて設置する
オフィスに植物を取り入れる際、やみくもに設置してしまうと動線を妨げてしまい、業務に支障が出る可能性があります。この場合、従業員がストレスを感じる恐れがあり本末転倒です。そのため、オフィス緑化に取り組む際は、動線を踏まえて邪魔にならないよう植物を設置しましょう。
床に置く以外にも、デスクや棚の上に置く、壁やパーテーションにかける、天井から吊るす、床に敷くなど、さまざまな設置方法があります。
どのように配置すれば動線を妨げないか、また限られたスペースを有効活用できるかをよく考えて設置場所を決めましょう。
4.管理しやすい観葉植物を取り入れる
天然の植物を取り入れる場合は毎日のメンテナンスが必要になるため、なるべく管理しやすい種類を選ぶことが重要です。
具体的には、葉が落ちにくく水やりが最小限で済む、成長が遅い植物がおすすめです。このほか、日光が当たりにくい環境でも育つ植物や、枯葉・虫が少なく掃除の手間がかからない植物も良いでしょう。
5.照明と温度を適切に管理する
植物によって必要な光の量や適切な温度は異なるため、オフィス緑化に取り組む際は事前に調べておきましょう。
たとえば、強い光を好む植物は日当たりの良い窓際に設置することが重要です。反対に耐陰性の強い植物は、窓際から離して設置しても問題ないでしょう。
温度に関しては、温度計を設置して、その植物に適した環境を維持することが重要です。ただ、オフィス内の特定の場所だけ温度を下げる・上げるといった微調整は困難なため、複数の植物を取り入れる場合は同じような環境で育つ種類を選ぶと良いでしょう。
6.日々のメンテナンスを忘れず行う
植物のメンテナンスを怠ると、すぐに弱ったり枯れたりして、オフィス緑化による効果を満足に得られなくなってしまいます。そのため、水や栄養剤を与えるのはもちろん、葉に付いたホコリの拭き取りや枯れ葉の剪定、病害虫の駆除などのメンテナンスは忘れずに行いましょう。植物がすくすく育つ環境を整えることが、結果的に従業員のストレス軽減や幸福度向上につながります。
なお、オフィス緑化では天然の植物を取り入れるケースがほとんどですが、もしメンテナンスの手間を軽減したいのであれば、フェイクグリーンを選ぶのも一案です。上述した毎日のケアが必要ないので楽にオフィス緑化を実現できます。
ただ、本物の植物の方がより快適でリラックスした気分になることがわかっているため、効果を最大化するにはやはり生きた植物を取り入れることが望ましいでしょう。
オフィス緑化に適した観葉植物は?特徴と種類を知ろう
ここでは、オフィス緑化に適した観葉植物の特徴と種類をご紹介します。限られたスペースにおいて、いかに手間をかけず育てることができるかがポイントです。
オフィス緑化に適した観葉植物の特徴
オフィス緑化に適した観葉植物の特徴には、主に以下の4つが挙げられます。
葉が落ちにくい品種
植物には、わずかな振動や環境変化によって葉が落ちやすい品種があります。そのような植物は、デスク周辺が散らかる原因となるため、できるだけ葉が肉厚で丈夫、かつ落ちにくい品種を選ぶことが重要です。一般的に、ポトス、サンスベリア、モンステラなどは葉が比較的落ちにくく、オフィス環境にも適しているとされています。
水やりが最小限で済む
仕事が忙しくなると、毎日の水やりが負担になることも考えられます。そのため、乾燥に強く、水やりの頻度が少なくて済む品種を選ぶことが大切です。
例えば、ポトス、サンスベリアなどは、土が完全に乾いてから水を与える程度でも育ちやすく、日常管理の手間を抑えられます。
なお、サボテンや多肉植物は乾燥には強い一方で、過度な水やりによって根腐れを起こしやすいという特性があります。水やりは「少なめ」が基本であることを理解して選ぶようにしましょう。
成長が遅い・大きくなりにくい
デスク上や棚の上など、設置スペースが限られている場合には、成長速度が遅く、サイズが大きくなりにくい品種が適しています。
例えば、ザミオクルカス、サンスベリア(矮性品種)、パキラ(小型種)などは、比較的成長が穏やかで、長期間同じサイズ感を保ちやすい植物です。
植物は成長することで魅力が増す反面、放置すると管理が負担になることもあります。手入れのしやすさと、将来的なサイズをイメージしたうえで品種を選ぶことが大切です。
日陰でも育ちやすい
植物の生長に「光」が欠かせませんが、オフィス内の照明環境は、一般的に屋外と比べると“日陰”に近い明るさとなります。そのため、耐陰性が高く、間接光や蛍光灯の下でも育つ品種を選ぶことがポイントです。
特に、ポトス、サンスベリア、シェフレラ(カポック)などは、日照条件が限られた場所でも比較的安定して育ちやすいとされています。
デスクの配置によっては窓際に設置できないケースも多いため、直射日光を必要としない耐陰性のある植物を選ぶことで、設置場所の自由度が高まります。
バイオフィリックデザインソリューション「コモレビズ」とは?
オフィス緑化にはさまざまな効果が期待できますが、ただ単純に気に入った植物をオフィスに置けば良いというわけではありません。というのも、植物の種類や量によっては、ストレス軽減などの思ったような効果を得ることができない場合があるためです。また、見栄えのよさだけではなく、植物が人の心身にもたらす効果を最大化させるためには、植物以外にも光や音、香りといったさまざまな自然要素を取り入れ、空間全体をコーディネートすることが重要です。
その点も踏まえ、オフィス緑化は、空間デザイン・設計のプロフェッショナルに相談するのが1番です。代表的なサービスとして、パソナ日本総務部のバイオフィリックデザインソリューション「コモレビズ」があります。
「コモレビズ」では、ストレスと緑視率(人の視界に占める緑の割合・多さを示す指標)の関係性をはじめとする、植物がもたらす人の心身への効果を研究しており、オフィスに最適な植物の種類や量を、科学的なエビデンスに基づいて設計することが可能です。
さらに、空間設計と植物のプロが、内装からオリジナル家具、植物の選定・配置までをトータルコーディネートし、施工まで一括で行います。人と植物が共生できる環境を目指して、総合的なバイオフィリックデザイン空間を提案します。
コモレビズの導入事例
コモレビズの導入事例として、以下の2社をご紹介します。
株式会社オーク情報システム
株式会社オーク情報システムは、本店移転にあたり「従業員のストレスを軽減し、生産性をあげるオフィス環境を作ること」を重視した背景から、コモレビズを導入しました。
とくにこだわったのは植栽の配置場所。ストレスチェックの結果をもとに、部門ごとに従業員の視覚に入る場所に最適な緑視率の植栽が置けるよう、デザイン会社も含めて綿密に計画したそうです。
その結果、導入後の従業員アンケートでは約8割が満足していると回答。「緑があることで疲れを感じにくくなった」という意見が多く、導入意図が反映されたと感じたそうです。
ポラスグループ 第一エネルギー設備株式会社
ポラスグループ 第一エネルギー設備株式会社は、本社ビルの建替えに伴い新設したリフレッシュルームにコモレビズを導入しました。
導入に至った理由は2つあり、ひとつはポラス本社ビルのエントランスにコモレビズを導入したところ、自然環境に近い空間にリニューアルし、社内外から好評だったこと。もうひとつは、研究に基づいた確かなエビデンスと、空間全体をバイオフィリックデザインで提案するコモレビズならではのサービスです。
導入後は社内から多くの満足の声が届いたほか、社員間の交流が活発化して生産性や創造性が上がり、社員のエンゲージメントも高まったと実感しているそうです。
まとめ
オフィス緑化には、ストレスや疲労感の軽減、幸福度の向上など従業員に対するメリットのほか、イメージの向上など会社に対する効果もあります。そのため、オフィスに植物を取り入れれば従業員の生産性が高まると同時に、ブランディングにもつながり、今よりもっと会社として成長しやすくなるでしょう。
とはいえ、ノウハウがない状態でオフィス緑化を進めるのは難しく、従業員が業務の傍ら進行・管理するのは現実的ではないかもしれません。そのような場合は専門業者に委託し、管理からメンテナンスまでお任せするのも一案です。
オフィス緑化の規模や会社の個性をもとに、自社に合った方法でオフィス緑化に取り組んでみてください。



