ANAホールディングス株式会社

総務研修の導入事例
【ANAホールディングス株式会社】

総務研修の導入事例

グループ各社の総務部門強化に向け、共通の課題であった総務人材育成のために『総務研修』を導入。
総務に必要な心構えや行動原則の学びと、活発なディスカッションによって各事業会社の垣根を超えたつながりを形成。

運輸
ANAホールディングス株式会社
名称
ANAホールディングス株式会社
導入先住所
〒105-7140
東京都港区東新橋1丁目5番2号 汐留シティセンター
ホームページ
https://www.ana.co.jp/group/

総務研修

総務研修

企業を取り巻く環境の変化に伴い、事業運営の根幹を支える総務部門のあり方・役割も大きく変化しています。
現在の総務には、大きく2つの役割が必要とされています。
・社内環境を整備するなど、従来からの「管理総務」を着実に実行
・将来あるべき企業像実現のための新たな取組みを、“現場を知る総務の視点”から経営層に提言する「戦略総務」の動き
総務研修は、未来に向け会社全体を変革し、成長を促す存在である「戦略総務」の原理原則となる考え方を学ぶ研修です。

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今回、パソナ日本総務部の『総務研修』を採用いただいている、ANAホールディングス株式会社 グループ総務部のお二人に、研修導入のきっかけや導入によって得られたメリットをお聞きしました。

        右:ANAホールディングス株式会社 グループ総務部 担当部長 岡田時彦様
        左:ANAホールディングス株式会社 グループ総務部 永井あとむ様

総務研修導入のきっかけ

ANAホールディングス株式会社

どんな課題があり、解決策としてなぜ『総務研修』を選択されたのですか

岡田様
ANAホールディングスは持株会社として、グループ会社に対するガバナンス機能を担っており、私たちの所属するグループ総務部は、グループ各社の組織運営に対するリーダーシップと支援を提供する役割を担っています。

2020年に実施したグループ総務部門の強化に向けたヒアリングから、グループ各社が共通して直面している課題として、総務人材の育成が挙げられました。ANAグループは空港ハンドリングやフライトケータリングなど多様な業態を持ち、その中でも各社の総務は間接部門として重要な役割を果たしています。しかし、人員が限られており、総務人材の育成は容易ではありませんでした。

私たちは、特に中堅社員やアドバンスレベル向けの研修を実施していきたいと考えていたのですが、研修に対する専門性や経験が豊富ではありませんでした。社内でも経理や法務などの分野では一般的な教育プログラムが存在するものの、総務部門を対象とした教育はありませんでした。そこで、外部のノウハウを探すようになりました。

パソナ日本総務部の『総務研修』を選んでいただいたポイント

岡田様
まず研修内容として、総務業務の全体像が分かるようなものが欲しいと考えていました。
総務は多種多様な業務を含むため業務範囲が広く、専門性や経験が求められる部分と汎用的なスキルやマインドで対応可能な部分があります。また個々のマインドや行動特性に依存する面も大きいため、総務業務に必要なマインドセットや行動原則が体系的にまとまっている研修制度を探していました。

そうした状況の中で、『総務研修』は私の経験則からもかなり納得がいく内容のものでした。

例えば、昨今社会を取り巻く環境変化が激しいため、以前はあまり問題視されなかったこと(健康面でのタバコの取り扱い、環境保全面でのCO2の取り扱い、個人情報の取り扱い等)が、いまでは社会的に大きな問題となるケースが増えてきているため、前例踏襲だけでなくゼロベースで考えることが求められています。
また、ステレオタイプの意見に引きずられる傾向があり、例えば「電気をこまめに消す活動」のような精神論的な動きをしてしまうこともあります。しかし、こうした感覚的なことで仕事を進めるのではなく、定量的にデータに基づく判断が今後の総務業務では重要だと私は考えています。

やはり、数字でしっかりと考えて判断しないといけないという発想が『総務研修』には盛り込まれており、従来の総務業務の当たり前ではない部分をカバーしていることが、とても画期的でしたし、私たちが求めていたポイントに合致していましたので、導入を決定しました。

どのように総務研修を実施されましたか?

受講メンバーはどのような基準で選ばれましたか

永井様
メンバーの選出基準は、入社5年目以上で総務担当歴が1年以上、かつグループ各社において将来総務部門を引っ張っていくことが期待される中堅層の人材としました。役職の指定はしませんでしたが、研修ではディスカッションが多くなるため、積極的に参加し、ファシリテーターとしても活躍できそうな方をグループ各社の上長の方から推薦いただきました。結果的に参加者は、一般職から間もなく管理職になる方や、管理職になって数年程度の方が占めることとなりました。

この、中堅総務担当者研修の導入は2年ほど前から検討が始まり、2022年度にトライアルとして5名が参加、2023年度から正式導入として10名に参加いただきました。

岡田様
総務研修のニーズはかなり高く、2023年度は5名で開催する予定でしたが、3倍以上の参加希望がありました。しかし、運営事務局側が少数のため難しく、最終的に10名で実施したという背景があります。

総務研修の実施体制

永井様
研修は3名の事務局によって運営しています。もともと全20回で構成された研修ですが、受講者の業務都合もあり、5回を4セットに分けた実施体制としました。また1セットごとに学習内容についてグループディスカッションを行い、言語化による学びの定着を図りました。

2022年度のトライアルでは、1回のディスカッションを60分に設定し、全4回のうち1回目と4回目を対面、2回目と3回目をオンラインで実施しました。このハイブリッド型の実施は、遠方からでも参加しやすいと受講者から好評でした。

なおトライアル実施後の受講者アンケートで「もう少しディスカッションする時間が欲しい」という意見があったため、2023年度の本運用では90分に延長して実施しています。

総務研修実施にあたり、ANA様が工夫された点

永井様
工夫した点として、3つあります。

まず、活発なディスカッションを促すためにより多くのテーマを設定しました。参加者のなかには、ファシリテーターの役割を初めて経験する方が多かったため、参加者が互いを知らない中でも緊張しないようにするためです。これにより活発に意見を引き出せるようになり、初対面同士でも意見交換がしやすくなったと感じています。

2つ目はディスカッションテーマの内容です。トライアル時にはパソナ日本総務部様にご用意いただきましたが、本運用では当社独自の考え方や視点をディスカッションテーマに反映させることで、自分たちの日々の業務に落とし込みやすくなると考え、事務局で設定しました。

3つ目がチーム分けです。2023年度の本運用では10名の参加者のうち、空港部門と間接部門の職員がそれぞれ5名ずつでした。そこで前半の2回は部門ごとでチームを分けて同じ立場の人とディスカッションができる機会を設け、後半の2回では異なる視点を取り入れるためにチームをシャッフルしました。その結果、普段接点のない参加者同士が交流しやすくなり、異なる部門の業務理解を深めることができました。

総務研修の導入によって、ANA様に起こった変化

永井様
2022年度のトライアルに参加した5名は研修で初めて顔を合わせたメンバーでしたが、業務に類似性があったため、相談や質問を通して協力関係を築けたようです。2023年度のメンバーについても、空港ハンドリングなど類似の業務を担当する者同士がグループ会社の垣根を超えてつながることができ、今まで誰かに聞きたいけど聞けなかったことが解決するという、新しい関係性ができたといった変化が起きています。

今回、各グループ会社からという普段接点のない者同士の参加にもかかわらず、「総務」という同じ業務を行っていることで共通の課題や困りごとを共有する貴重な機会を作れたことが良かったと思います。特に、異なる地域の空港で働く参加者同士がお互いの経験を共有し、新たなつながりを築けたことが非常に有益でした。

岡田様
機能別に会社が分かれているものの、エアライン部門は飛行機を飛ばすという目的において少なからずやりとりがありました。しかし、総務部などの間接部門では、会社を超えたやり取りはほとんどないのが実情です。この研修を通じて、各社の総務担当者が初めて話す機会を持ち、相互理解を深める貴重な体験になったと考えています。

今後取り組んでみたいこと

岡田様
総務研修を今年度に引き続き、来年度以降も継続していく予定です。また、総務部門に特化した研修体系をグループ会社全体にしっかりと構築し展開していきたいと考えています。

当社総務部門の階層別研修では、新任や中堅向けのプログラムがありますが、部長クラスや役員向けの研修も導入に向けて検討したいと思っています。また、当社では業務・テーマ別の研修がありますが、今後それ以外の内容についても充実をさせていきたいと考えています。

※本事例に記載の情報は初掲載時(2024年4月)のものです。

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