賞味期限切れ間近の防災備蓄品はどうする?寄付など廃棄を防ぐ方法や予防策を紹介

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2022年12月13日 配信
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賞味期限切れ間近の防災備蓄品はどうする?寄付など廃棄を防ぐ方法や予防策を紹介

賞味期限切れ間近の防災備蓄品はどうする?寄付など廃棄を防ぐ方法や予防策を紹介
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防災備蓄品として整備される食料品の賞味期限はとても長いですが、幸いにも災害が発生せず、使用しないまま賞味期限を迎えた場合は廃棄することが一般的です。しかし、単純に期限切れ防災備蓄品を破棄してしまうと、世界的な課題であるフードロスにつながりかねません。このことから、防災備蓄品の処分方法に頭を悩ませる企業の防災担当者も多いのではないでしょうか。 防災備蓄品の破棄を防ぐ方法には、社員への配布やフードバンクへの寄付など、いくつかの方法があります。 この記事では、期限間近の防災備蓄品をどのように扱えばよいのか、単純な破棄を防ぐ方法や、フードロスを削減するための今後の改善対策までまとめて解説します。

防災備蓄品も関係する世界的なフードロス問題

フード

賞味期限の切れた防災備蓄品の廃棄によって生じる問題のひとつに、フードロス問題があります。
世界では毎年13億トンもの食品が消費されずに捨てられており、廃棄処理のためのコストや、処理時に発生する二酸化炭素の排出による環境破壊が社会問題となっています。

このように、生産した食品を廃棄する現状がある一方で、満足な食事が取れず、飢餓に苦しむ国が存在しているという矛盾も抱えています。

日本においてもフードロス問題は深刻で、1年間の食品廃棄量は612万トンにものぼっています。この612万トンを国民1人あたりに換算すると、毎日お茶碗1杯分の食品を廃棄している計算になります。
政府、企業、個人が一体となってフードロス問題への意識を高め、解決に導くための行動を取ることが求められる中で、不測の事態に備えて整備する防災備蓄食料の破棄について、課題感を持つ企業も増加しています。

防災備蓄品の廃棄を防止する3つの方法

企業が不測の災害などに備えて整備する、防災備蓄品にも賞味期限があります。賞味期限が近くなると古いものを廃棄し、新しいものと入れ替えることが一般的です。しかし、企業で整備する防災備蓄品の量は規模に比例して多くなりがちで、前述のフードロス問題から単純に産業廃棄物として廃棄することに課題を持つ企業も多くあります。
ここでは、できるだけ備蓄品の廃棄を防ぐための3つの方法について解説します。

社員に配布する

防災備蓄品の廃棄を防ぐ方法のひとつに、社員に配布するという方法があります。
一般的に、防災備蓄品は賞味期限を完全に過ぎてから入れ替えるのではなく、ある程度は賞味期限が残っている時点で入れ替えることが多いようです。まだ十分に食べられる状態の備蓄食品を社員に配布すれば、企業と社員の双方にとってメリットがあります。

最近の防災備蓄食料には数多くの種類があり、開封してそのまま食べられるものや、水やお湯で戻して食べるものなどさまざまです。これら備蓄食品をあえて平常時に食べてみることで、使用方法を学んだり味に慣れたりすることができ、不測の事態発生時への心構えができます。

また、実際に食べてみた感想をアンケート集計すれば、入替えのため新たに購入する備蓄食品を選ぶ際の有益な参考情報にもなります。会社からの福利厚生の一環として社員へ提供することで、社員満足度の向上にもつながるでしょう。

フードバンクへ寄付する

賞味期限切れの近い防災備蓄品は、フードバンクへ寄付するという選択肢も考えられます。フードバンクには食品の品質自体には問題がないものの、さまざまな事情で販売や消費が難しい食品が集められ、必要な人のもとへ届けられる活動として注目を集めています。
フードバンクは元々海外で広まっていた考え方ですが、近年では国内にも多くの組織や関連団体が登場しています。単に廃棄するのではなく、フードバンクへ寄付して必要な組織や家庭に渡る道筋を立てることで、フードロスを削減しつつ食糧難や貧困に苦しむ人たちの助けとなるでしょう。

消費者庁でも、国内のフードバンク活動団体が一覧で紹介されています。
フードバンク活動等

なお、フードバンクに寄付できる食料品は、それぞれの受け入れ団体によって異なります。フードバンクに防災備蓄食料の寄付を検討する際は、まず最寄りのフードバンクの受け入れ条件などを確認するようにしましょう。

引き取りサービスを実施する業者に依頼する

社員への配布やフードバンクへの提供が難しい場合には、賞味期限切れ前の備蓄品を引き取ってくれる業者に依頼する方法もあります。
近年では、防災備蓄品の手配から回収までの一連の工程をアウトソーシング事業として請け負う事業者が登場しています。備蓄品の回収については事業者によって対応できる備蓄品の種類や、有償・無償の区別が異なるため、事前に調べておくことをおすすめします。

パソナ日本総務部では、防災備蓄品ワンストップサービスを提供しています。パソナ日本総務部では防災備蓄品の新規購入を条件に、期限切れ前の備蓄食料を原則無償で引き取るサービスを実施しています。これから防災備蓄品の入れ替えを検討している方は、一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。

防災備蓄品の賞味期限切れを未然に防ぐ方法とは

賞味期限切れ間近の防災備蓄品はどうする?寄付など廃棄を防ぐ方法や予防策を紹介

ここまで、賞味期限切れ間近の防災備蓄品の廃棄を防ぐ方法をご紹介しました。しかし、整備する数も種類も多くなりがちな備蓄食料の期限を、うっかり切らしてしまい廃棄せざるを得なくなったということもあるでしょう。

そこで、ここからは防災備蓄食料の期限切れを事前に防止する対策について解説します。

ローリングストック法による管理

ローリングストック法とは、日ごろから食品やレトルト品などを少し多めにストックしておき、日常生活のなかで消費しながら、使った分を随時買い足していく方法です。古いものから順番に消費するという、主に家庭で用いられる管理方法ですが、企業での防災備蓄品の管理にもこの考え方を活用できます。

一般家庭と比べ備蓄食料の数・量ともに多い企業においては、保管スペースの整理整頓が欠かせません。例えば、新しい備蓄品を購入した時に「先入れ先出し」を意識し、古いものを倉庫内の手前に配置するよう徹底すれば、自然と賞味期限が古いものから順番に消費できる環境を作れるようになります。また、備蓄食品を保管する段ボールに、商品名だけでなく賞味期限も明記しておくと更に管理がしやすくなるでしょう。

また、エクセルなどを活用して在庫管理表を作成し、備蓄品の種類や数量、購入日や賞味期限、保管場所などの情報を一覧にまとめて定期的にチェックする体制を作ることも重要です。

防災備蓄品の管理システムを導入する

防災備蓄品の種類や量、賞味期限などを管理する専用システムを導入することも一つです。前述のエクセルによる在庫管理では、いつ・誰が・どの項目を更新したかの把握が難しく、またデータやファイルが消失するリスクもあります。

防災備蓄品の管理システムであれば、入力状況の把握が可能になりデータ消失などのリスクを抑えることもできます。さらに複数の事業所における備蓄品の管理状況を一括して見える化することもでき、業務効率の向上にもつながります。

また、システムによっては、賞味期限が切れる前にアラートメールが自動通知されるなどの機能もあるため、管理システムの導入で期限切れによる大量廃棄を未然に防止しやすくなります。

まとめ

世界的にフードロス問題が深刻化する現代において、企業においても「食品ロスを発生させない防災備蓄食料の管理」への取組みが必要不可欠です。賞味期限切れによる防災備蓄品の廃棄を未然に防止し、できるだけ有効活用するには、防災備蓄品の購入から管理、入れ替えに伴う引き取りまでを一括で対応する専門会社に対応を依頼するのがおすすめです。
パソナ日本総務部では、防災備蓄品ワンストップサービスを提供しています。防災備蓄品にかかわるフードロス削減にお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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