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2026年04月23日 配信
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オフィスの「空気」を整えるという、新しい環境改善の視点

オフィスの「空気」を整えるという、新しい環境改善の視点
オフィス環境,ウェルビーイング

オフィス環境の改善というと、レイアウト変更や家具の刷新、ICT環境の整備などが真っ先に思い浮かびます。一方で、実はもっとも身近で、しかも長時間影響を受けているにもかかわらず、後回しにされがちなのが「空気環境」です。
人が集まるオフィスでは、ニオイがこもりやすく、空調による乾燥が進み、外気からは花粉やPM2.5などの微粒子が入り込みます。さらに、目に見えないウイルスや菌も常に存在しています。これらは、強い不調として表面化することは少ないものの、集中力の低下や疲労感、気分の落ち込みといった形で、じわじわと働く人のコンディションに影響を与えています。
今回は、オフィス環境の中でも見過ごされがちな「空気」に焦点を当てて、その重要性を解説します。

オフィスが抱えやすい、空気の悩み

オフィス環境の改善というと、レイアウト変更や家具の刷新、ICT環境の整備といった「目に見える要素」が注目されがちです。一方で、毎日長時間その中で過ごしているにもかかわらず、見過ごされがちなのが空気環境です。空調や清掃によって一定の管理はされているものの、「快適かどうか」「人にとって心地よいか」という視点までは十分に行き届いていないケースも少なくありません。
実際のオフィスでは、次のような空気に関する課題が見られます。
・人が密集することによる体臭や衣類由来のにおい
・執務室内でのランチ後に残る食事のにおい
・会議室や共有スペースでの空気のよどみ
・エアコン使用による乾燥や息苦しさ
・外気から入り込む花粉や微粒子、菌

これらは強い不快感として自覚されにくい一方で、「なんとなく集中できない」「気分がすっきりしない」といった形で、無意識のうちに働く人のコンディションやパフォーマンスに影響を及ぼしています。

「オフィスエアー」という新たな課題意識

空気がストレスになるという考え方

近年、海外を中心に使われるようになった言葉に「オフィスエアー(Office Air)」があります。これは、オフィス特有の空気環境が、知らず知らずのうちに心身へストレスを与えている状態を指す概念です。乾燥した空気、換気不足、微粒子を含む空気の循環。こうした状況が重なることで、喉や肌の違和感、集中力の低下、慢性的な疲労感につながる可能性があると指摘されています。

「不調の原因が空気だと気づきにくい」問題

オフィスエアーの特徴は、不快感が明確な症状として現れにくいことにあります。そのため、不調の原因が空気環境にあると気づかれにくく、対策が後回しにされがちです。
しかし、働き方が多様化し、オフィスが単なる作業の場から「人が集まり、価値を生み出す場」へと変化する今、空気の質は快適性を超えた重要な経営テーマとして見直され始めています。

におい対策の難しさと、アロマ利用の注意点

「いい香り」が必ずしも正解とは限らない

企業の顔ともいえるエントランスでは、来訪者へのおもてなしや気持ちの切り替え、ブランディングの一環としてアロマを活用する企業も増えています。ただし、におい対策としてアロマを取り入れる際には注意が必要です。
香りには個人差や好みの違いがあり、「リラックスできる香り」が別の人にとってはストレスになることもあります。特に、強い香りや人工的な香りは、体調不良や集中力低下を招く可能性もあり、オフィス全体への導入には慎重な判断が求められます。

求められるのは「主張しない空気づくり」

従業員が長い時間を過ごす執務空間では「香りで演出する空気」だけでなく、自然で違和感のない空気づくりも重要な視点です。特定の誰かにとって快適で、別の誰かにとって不快になる空気ではなく、全体として落ち着き、深呼吸しやすい空気環境が求められます。

自然に近づける空間づくりというアプローチ

バイオフィリックデザインの考え方

こうした課題へのアプローチとして注目されているのが、バイオフィリックデザインです。「人間には生まれながらに自然とのつながりを求める本能がある」とするバイオフィリア仮説に基づき、植物や自然光、音や空気といった自然要素を空間に取り入れるデザイン手法です。
植物のあるオフィスでは、幸福度や創造性、生産性が向上したという調査結果もあり、「自然を感じられる環境」が人のパフォーマンスにポジティブな影響を与えることが分かっています。

見えない自然要素「フィトンチッド」の働き

バイオフィリックデザインをさらに一段深める要素として注目されているのがフィトンチッドです。フィトンチッドは植物が自らを守るために放出する揮発性成分で、森林浴でリラックスした気分になる要因の一つとされています。
フィトンチッドには、除菌・抗菌、消臭、リラックス、抗酸化といった作用が期待されており、空気環境と人のコンディションの両面にアプローチできます。植物が「目で感じる自然」だとすれば、フィトンチッドは「空気として感じる自然」。目には見えませんが、確実に人に作用する自然要素と言えます。
特に湿度が高まる梅雨から夏にかけては、菌やカビ、ニオイが発生しやすく、オフィスの空気環境が乱れやすい季節です。こうした時期において、フィトンチッドの持つ除菌・抗菌、消臭といった特性は、快適性だけでなく安心感を支える要素としても大きな意味を持ちます。

空気が整うと、働き方が変わる

深呼吸できるオフィスがもたらす変化

植物のある空間に、自然由来の空気環境が重なることで、オフィスはより心地よい場所へと変わっていきます。
・気持ちが落ち着きやすくなる
・集中とリラックスの切り替えがしやすくなる
・疲労感が溜まりにくくなる

こうした変化は目に見えにくいものですが、日々の仕事の質や持続力に確実に影響していきます。

環境を整えることは、人を支えること

健康経営というと、運動や食事、メンタル施策が注目されがちですが、人が日常的に過ごす環境そのものを整えることこそが、もっとも基礎的な健康投資ともいえます。
空気環境への配慮は、「働きやすさ」を超えて、企業の持続性や人材定着を支える視点になりつつあります。自然のパワーを上手に活用することで、「頑張らせる環境」ではなく、「自然とパフォーマンスが発揮できる環境」をつくることができるといえるでしょう。

まとめ

パソナ日本総務部が提供するバイオフィリックデザインソリューション「COMORE BIZ(コモレビズ)」では、植栽や空気、光、音といった自然要素をトータルでコーディネートし、実証実験に基づくエビデンスをもとにした空間づくりを行っています。
空間を「きれいにする」「おしゃれにする」だけではなく、人の状態に働きかける環境を設計する。オフィスの空気に目を向けることが、これからのオフィス環境改善における大切な第一歩になるかもしれません。

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