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2026年07月15日 配信
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企業の防災マニュアルの作り方|作成手順・記載項目・運用のポイントを解説

企業の防災マニュアルの作り方|作成手順・記載項目・運用のポイントを解説
マニュアル,防災

地震や台風、豪雨などの災害が発生した際、従業員の安全を確保し適切な初動対応を行うためには、防災マニュアルをあらかじめ整備しておくことが重要です。災害の種類によって対応は異なるものの、あらかじめ行動基準を定めておくことで緊急時の混乱を抑えやすくなります。

しかし、「何を記載すれば良いのかわからない」「どのような手順で作成すれば良いのかわからない」と悩む担当者も少なくありません。実効性のある防災マニュアルを作成するためには、自社の災害リスクや運用体制を踏まえ、必要な項目を整理したうえで、継続的に見直し・改善していくことが大切です。

今回は、防災マニュアルを作成する前に整理しておきたいポイントや具体的な作成手順、記載すべき項目、運用のポイントについてわかりやすく解説します。

防災マニュアル作成前に整理しておきたい4つのポイント

防災マニュアルは、災害発生時に従業員が迷わず適切に行動するための行動指針です。作成前に前提条件を整理しておかないと実際の運用に合わない内容になったり、必要な情報が不足したりする可能性があります。
ここでは、防災マニュアルを作成する前に整理しておきたいポイントを4つご紹介します。

想定する災害を洗い出す

防災マニュアルを作成する際は、自社で発生する可能性のある災害を洗い出すことから始めます。
日本では地震や台風、豪雨、洪水などの自然災害に加え、大雪や土砂災害、火災、停電など、地域や事業内容によって想定すべきリスクは異なります。たとえば、沿岸部では津波への備え、工場では設備事故や火災への対応など、立地や施設の特性に応じて必要な対策を整理することが重要です。また、自治体が公表しているハザードマップを確認し、自社拠点周辺の洪水・土砂災害・津波などのリスクを把握しておきましょう。

想定される災害を整理しておくことで、必要な初動対応や避難方法、備蓄品などを具体的に検討でき、実際の災害時にも活用しやすいマニュアルを作成できます。

防災マニュアルの対象範囲を決める

防災マニュアルでは、対象とする範囲を明確にしておくことも欠かせません。たとえば、本社のみを対象とするのか、全国の拠点で共通利用するのか、あるいは工場や店舗、物流拠点など施設ごとに個別の内容を盛り込むのかによって、記載すべき内容は異なります。

全拠点共通の基本ルールを定めつつ、避難場所や避難経路、設備配置、緊急連絡先などは拠点ごとの運用に合わせて整理する方法も有効です。対象範囲を明確にすることで、現場で実際に使いやすいマニュアルになり、運用時の混乱も防ぎやすくなります。

マニュアルの提供方法を決める

防災マニュアルは内容を整備するだけでなく、災害時に従業員がすぐ確認できる状態にしておくことも重要です。そのため、作成前にマニュアルをどのような形で提供・保管するかを決めておきましょう。

近年はPDF化して社内ポータルやクラウドストレージで共有し、PCやタブレット、スマートフォンから閲覧できるようにする企業も増えています。更新内容を全拠点へ反映しやすい点はデジタル管理の大きなメリットです。

しかし、災害時には停電や通信障害が発生し、電子機器が利用できない可能性もあります。そのため、受付や事務所など目につきやすい場所へ紙のマニュアルを備え付けるなど、電気や通信環境に依存しない確認手段を用意しておくことも重要です。

最新版をデジタルで管理しながら、緊急時に必要な内容は紙でも確認できるようにするなど、紙とデジタルそれぞれの特徴を踏まえた運用を検討すると良いでしょう。

作成メンバーを決める

防災マニュアルは一部の担当者だけで作成するのではなく、関係部門を交えて検討することが重要です。
総務部門や人事部門だけでなく、各拠点の管理者や工場・店舗の責任者、安全衛生担当者など、実際の現場を把握している担当者が参加することで、現実的な運用を踏まえた内容を整理しやすくなります。

また、情報システム部門や施設管理部門が加われば、停電時のシステム対応や設備停止時の対応なども検討できます。さまざまな立場から意見を取り入れることで、実効性の高い防災マニュアルの作成につながるでしょう。

防災マニュアルの作り方

防災マニュアルは、必要な項目を羅列するだけでは十分ではありません。災害発生時に誰が、何を、どの順番で対応するのかを具体的に整理することで、実際の現場で活用しやすいマニュアルになります。
ここでは、防災マニュアルを作成する際の基本的な手順を5つのステップに分けてご紹介します。

STEP1:災害発生時の組織体制を決める

防災マニュアルの作成では、災害発生時の指揮命令系統を明確にすることから始めます。誰が災害対策本部を設置するのか、誰が避難誘導や安否確認、情報収集を担当するのかなど、役割をあらかじめ決めておくことで、緊急時でも混乱を抑えながら対応しやすくなります。

また、担当者が不在となる可能性も考慮し、代理担当者や代替体制をあわせて定めておくことも重要です。

STEP2:情報収集・連絡方法を決める

災害時は状況が刻々と変化するため、正確な情報を収集し、迅速に共有できる体制を整える必要があります。
気象情報や自治体からの避難情報、交通機関の運行状況など、どこから情報を収集するのかを整理するとともに、社内への情報伝達方法も決めておきましょう。

あわせて、従業員への連絡手段や緊急連絡網、安否確認システムなどを明確にし、電話やメールだけでなく、複数の連絡手段を準備しておくと、通信障害が発生した場合にも対応しやすくなります。

STEP3:初動対応を明文化する

災害発生直後は限られた時間で適切な判断が求められるため、初動対応を具体的に明文化しておくことが重要です。たとえば、地震発生時に身の安全を確保する行動や、火災発生時の初期消火、設備の停止、負傷者の救護など、災害の種類ごとに必要な対応手順を整理します。

誰が対応しても同じように行動できるよう、対応手順はできるだけ具体的かつ簡潔に記載することがポイントです。

STEP4:避難基準と避難経路を記載する

避難を開始する判断基準や避難方法についても、防災マニュアルに明記しておきます。どのような状況で避難を開始するのか、どの避難経路を利用するのか、避難場所はどこかといった内容を整理することで、災害時の混乱を抑えやすくなります。

また、複数の避難経路や代替となる避難場所もあわせて記載しておくと、想定していたルートが利用できない場合にも柔軟に対応できます。施設ごとの避難経路図やフロアマップを掲載しておくことも有効です。

STEP5:マニュアルとして整理・周知する

作成した内容は、防災マニュアルとして見やすく整理し、従業員へ周知することが重要です。緊急時でも必要な情報をすぐ確認できるよう、項目ごとに整理し、図やフローチャート、避難経路図なども活用すると理解しやすくなります。

また、マニュアルを配布するだけでは十分とは言えません。研修や防災訓練を通じて内容を共有し、従業員が実際に行動できる状態にしておくことで、防災マニュアルの実効性を高められます。

防災マニュアルに記載したい主な項目

防災マニュアルには、災害発生時に必要な情報を網羅的に記載することが重要です。ただし、情報量が多すぎると緊急時に必要な内容を見つけにくくなるため、実際の行動に必要な情報を整理して記載することが求められます。
ここでは、防災マニュアルに盛り込んでおきたい主な項目をご紹介します。

基本情報

まずは、防災マニュアルの運用に必要な基本情報を記載します。
対象となる拠点や施設名、作成日・改訂日、緊急連絡先、防災責任者や各担当者の役割などを整理しておくことで、災害発生時にも迅速に確認できます。

また、災害対策本部の設置場所や、緊急時に参照する関係機関の連絡先などもあわせて記載しておくと、必要な情報を一元的に確認しやすくなります。

安否確認方法

従業員の安全を迅速に把握するため、安否確認の方法や報告手順を明確にしておきます。
安否確認システムや電話、メール、チャットツールなど、利用する手段を定めるとともに、誰に、どのような内容を報告するのかを具体的に記載することが重要です。

また、通信障害によって通常の連絡手段が利用できない場合に備え、代替手段や連絡が取れない場合の対応についても整理しておくと、状況に応じた対応を取りやすくなります。

初動対応手順

災害発生直後に取るべき行動を、時系列で分かりやすくまとめます。
身の安全の確保や負傷者の救護、火災発生時の初期消火、設備の停止、避難誘導など、災害の種類や施設の特性に応じた対応を整理しておきましょう。

実際の現場では迅速な判断が求められるため、フローチャートやチェックリストを活用し、誰でも迷わず対応できるようにしておくことが望まれます。

備蓄品・設備情報

災害時に使用する備蓄品や設備に関する情報も、防災マニュアルに記載しておきます。
非常食や飲料水、救急用品、ヘルメット、毛布などの備蓄品に加え、消火器やAED、防災倉庫などの設置場所を整理しておくことで、必要な物資や設備を迅速に利用できます。

あわせて、備蓄品の管理担当者や保管場所、使用期限や点検時期なども記載しておくと、平常時の管理にも役立ちます。

復旧対応

災害発生直後の対応だけでなく、事業や業務を再開するための復旧対応についても整理しておくことが重要です。
施設や設備の被害状況の確認方法、ライフラインの復旧状況の確認、取引先や顧客への連絡、業務再開の判断基準などをあらかじめ定めておくことで、復旧に向けた対応を円滑に進めやすくなります。

また、災害対応後には対応内容や課題を振り返り、防災マニュアルの見直しにつなげることも、継続的な防災体制の強化につながります。

作って終わりにしないための運用ポイント

防災マニュアルは、一度作成すれば終わりではありません。組織体制や拠点の変更、法令改正、災害リスクの変化などに応じて内容を見直し、実効性を維持することが重要です。
ここでは、防災マニュアルの実効性を高めるために取り組みたい運用ポイントをご紹介します。

定期的に見直す

防災マニュアルは定期的に内容を見直し、最新の情報へ更新することが重要です。
組織変更による担当者や緊急連絡先の変更、新たな拠点の開設、設備の更新などがあった場合は、その内容を速やかに反映する必要があります。また、災害対応に関する法令やガイドラインの改定、地域のハザードマップの更新なども確認し、必要に応じて内容を見直しましょう。

定期的な見直しを行うことで、災害発生時にも実際の運用に即したマニュアルとして活用しやすくなります。

防災訓練で実効性を確認する

防災マニュアルは、実際に運用して初めて課題が見えてくることがあります。そのため、定期的に防災訓練を実施し、マニュアル通りに行動できるかを確認することが大切です。

訓練では、避難誘導や安否確認、情報共有などを実践し、「手順が分かりにくい」「役割分担が曖昧だった」「連絡手段が機能しなかった」といった課題を洗い出し、マニュアルへ反映することで実効性の向上につながります。

パソナ日本総務部では、VR技術を活用した「バーチャル防災訓練」を提供しています。実際の災害に近い状況を疑似体験しながら、初動対応や避難行動を実践的に学べるため、防災マニュアルの内容を検証し、運用上の課題を把握する機会としても活用できます。

BCPとの連携も検討する

防災マニュアルは、従業員の安全確保や初動対応を目的としていますが、その後の事業継続まで見据えるのであれば、BCP(事業継続計画)との連携も重要です。

防災マニュアルとBCPを連携させることで、災害発生直後の安全確保や初動対応だけでなく、その後の事業復旧や業務再開までを見据えた体制を整えやすくなります。防災マニュアルでは従業員の安全確保や初動対応を、BCPでは重要業務の継続・復旧を担うなど、それぞれの役割を整理しておくことで、災害時にも状況に応じた対応を進めやすくなるでしょう。

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まとめ

防災マニュアルは、災害発生時に従業員の安全を確保し、混乱を最小限に抑えるための重要な行動指針です。実効性のあるマニュアルを作成するには、想定する災害や対象範囲を整理したうえで、組織体制や初動対応、避難方法などを具体的に明文化することが重要です。

また、防災マニュアルは作成して終わりではありません。定期的な見直しや防災訓練を通じて課題を把握し、継続的に改善することで、実際の災害時にも活用しやすい内容へと更新していくことが求められます。BCPとの連携も視野に入れながら、自社の実情に合った防災体制を整備していきましょう。

パソナ日本総務部では、マニュアルの制作サービスを提供しています。新規作成から見直し、品質向上まで幅広く支援していますので、マニュアル整備をご検討の際は、ぜひご相談ください。

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