SEMINAR セミナー

2024.6.28

Webセミナー「バイオフィリアとコミュニケーション~社内交流を生み出すしかけづくり~」

Webセミナー「バイオフィリアとコミュニケーション~社内交流を生み出すしかけづくり~」

株式会社パソナ日本総務部(以下、当社)は2024年6月28日に、千葉大学大学院の岩崎寛教授をゲストにお迎えし、Webセミナー『バイオフィリアとコミュニケーション~社内交流を生み出すしかけづくり~』を開催しました。

アーカイブ動画を公開しますので、ぜひご覧ください。各部の内容・サマリーは以下に記載します。

第1部
「バイオフィリアとWell-being」 サマリー:
千葉大学大学院園芸学研究院 教授 岩崎寛氏

現在、世界的な取り組みの中で“ウェルビーイング”は外せないものになっています。例えば2021年のG7サミットでは、「2030年までに陸と海の30%を生物多様性保全地域とする」ことを目指す「30by30」が提言されました。期待される効果として、「脱炭素適応」や「循環経済」と並び、「いやし」や「健康」が含まれています。また2023年のG7サミットで採択されたは「One Health」は、動物・環境・ヒトの健全性を個別ではなく分野横断的に考えていこうという取り組みです。また国内の取り組みでも、国土交通省が推進するグリーンインフラ評価の項目にウェルビーイングが含まれるなど、ヒトの健康をますます重視するようになっています。

健康に関する厚生労働省の方針として、大きな転換だったのは、2000年に「治療医学」から「予防医学」の発想になったことです。そうした流れの中で、2015年にはメンタルヘルスの観点から、オフィスでのストレスチェックが義務化されましたが、実は対策に取り組んでいる割合は進んでいないという現状があります。そこで注目されているのがバイオフィリア理論です。バイオフィリア理論を取り入れたバイオフィリックデザインという建築手法が注目を集めていますが、ポイントは「自然感」と「身近に感じる」ということです。ただ植物があればいいということではなく、整然と木が並んでいるのではなく様々な階層に植物があること。また同じ空間であっても植物が視界に入っていることがメンタルヘルスや疲労軽減に重要だということがわかってきています。

アメリカ疾病予防管理センターの調査によると、健康に影響を与える4要素「ライフスタイル」「保健医療」「環境」「遺伝」の中で、最も多くの影響を与えるのは「ライフスタイル」ですが、実は「遺伝」と並んで「環境」がその次に高い割合を占めているのです。

近年、健康経営の重要性が叫ばれていますが、中でも特にメンタルヘルス対策はとても重要な要素です。勤務者のヘルスケアのためにもぜひ具体的な取り組みとして、植物の力をオフィスに取り入れてもらうことをお勧めします。

第2部
「バイオフィリックオフィスデザインがもたらす効果と最新事例」 サマリー:
株式会社パソナ日本総務部 COMORE BIZ推進部 部長 和田えり子

職場におけるバイオフィリックデザインが幸福度や創造性をアップさせ、生産性も向上したというロバートソン・クーパー社の調査結果が目にされた方は多いかもしれません。当社の「コモレビズ」でも効果が証明されており、科学的なエビデンスに基づき空間デザインをするというのが最大の特長です。コモレビズは職場環境を自然環境に近づけることで働く人々のストレスを軽減し、従業員と企業のウェルビーイングを向上させ、持続可能な社会の実現に貢献しています。

今回はコモレビズを導入いただいた企業様のアンケート結果をご紹介します。

【株式会社長沢電機様】
創業50年の歴史を持つ老舗企業です。本社移転に伴い、植栽や自然音のみならず、移転プロジェクト全体のオフィスデザインからマネジメントを担当しました。以前は固定席でしたがフリーアドレス等を導入しABWを取り入れています。新社屋の満足度を問う設問では、97%がポジティブな回答をいただきました。
 ▶長沢電機様のアンケート結果はこちらからご覧ください。

【パナソニックインダストリー株式会社様】
本プロジェクトではレイアウトは既に決まっており、コモレビズではより空間価値を上げるために、オントップするかたちでバイオフィリックデザインを担当しました。コモレビズを導入した空間の満足度は75%で、「癒される」「落ち着く」など高評価をいただきました。「出勤が増えた」「コミュニケーションがしやすい場が増えた」などの好意的な感想が寄せられました。
 ▶パナソニックインダストリー様のアンケート結果はこちらからご覧ください。

多様な働き方が定着し、今ワークプレースには「新たな価値を共創する場所」「一体感やイノベーションを生む場所」であることが求められています。バイオフィリックデザインは、そのためのひとつのアンサーであると考えています。

第3部
「社内交流を促進するイベントの活用法と事例」 サマリー:
株式会社パソナ日本総務部 イベントサービス推進部 マネージャー 藤野尚志

多様な働き方が浸透し、有効に活用されている一方で、コミュニケーション機会の減少が加速しています。当社ではコミュニケーションを通じた活気あふれる働く環境を提供することで、社員エンゲージメントの向上に貢献しています。それによる業務効率向上、さらには離職率低下なども含めた企業経営の安定に向けてさまざまな企業をサポートしています。

社内イベントの効果としては大きく3点「社員同士の親近感を醸成する」「社員の一体感を醸成する」「社員エンゲージメントを高める」が挙げられます。目指す効果ごとに最適なイベントが異なるのですが、単発施策ではなくそれらを複数組み合わせて実施することが効果的だと考えています。

社内イベントを効果的かつ円滑に実施するためには「主体性を持って企画する」ことが重要です。もちろん当社がサポートしますが、企業側が目的を明確に持ち、さまざまな部署・年代のメンバーを人選して事務局を編成することがポイントと言えます。また準備推進メンバーが楽しんで準備できるように、本業とのバランスを含めて時間的・精神的な負担を軽減してあげることも忘れずに対応いただきたい点です。

当社のサービスでは、本番の6カ月ほど前からお打ち合わせに入り、準備メンバーの方も当日しっかりと楽しんでいただくこと、そしてイベント終了後に振り返りの会を開いたり、PDCAを回して改善していけるようサポートをしております。
イベントの成否は準備が大きく左右します。ぜひ効果的でスムーズな社内イベントによる非日常のつながりを創出し、社内コミュニケーションを活性化していきましょう。


【講師紹介】

岩崎寛氏
千葉大学大学院園芸学研究院 教授
博士(農学)、上級園芸療法士

専門は緑地福祉学、環境健康学。園芸療法やアロマセラピー、森林療法など「緑の療法的効果」に関する研究と、それらを実践する場である病院など「医療福祉機関における緑のあり方」、地域住民の健康に寄与する「緑による地域ケア」に関する研究を行っている。著書に「みどりの処方箋-ヒーリング時代の緑の使い方」(グリーン情報)など。日本緑化工学会副会長、日本園芸療法学会理事、日本ガーデンセラピー協会理事。

※本レポートに記載の情報は、セミナー開催時(2024年6月)のものです。


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