オフィスの緑視率を高めて業務効率アップを目指すには?

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2019年09月25日 配信
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オフィスの緑視率を高めて業務効率アップを目指すには?

オフィスの緑視率を高めて業務効率アップを目指すには?
オフィス環境改善・施設管理

多くのビジネスマンは、一日の大半の時間をオフィスで過ごします。モチベーションや業務効率を考えるとオフィス空間は快適な空間であるべきですが、無難な内装デザインによって無機質さを感じる場合もあるのではないでしょうか。 そんなオフィスの快適さを保つのに重要な要素のひとつとして注目されているのが、「緑視率」という指標です。今回はオフィスにおける緑視率について、メリットや事例を紹介しながら解説します。

緑視率とは?

緑視率とは、人の視界に占める緑の割合を測る指標で、緑の多さを表すとされています。大阪府が平成25年に実施した都市景観についての調査では、緑視率=(緑の面積)/(撮影範囲) という算出方法が用いられています。緑視率は、疲労感の軽減や快適性の向上を示すと言われ、国土交通省が平成17年に発表した緑視率についての調査資料では、「緑視率が高い場所ほど安らぎを感じる人が多い」という結果がまとめられています。

さらに、豊橋技術科学大学と長崎大学が2013年に発表した研究結果では、緑視率の向上とストレスの軽減度が比例するという事実が明らかになりました。以上のように、緑視率の向上にはさまざまなメリットがあるということが数々の調査や研究によって実証されています。

緑視率を向上することで得られるメリット

オフィス内の緑視率を高めることで得られるメリットには、以下のようなものがあります。実際の研究結果を踏まえて解説します。

ストレスの軽減効果

千葉大学・兵庫県立大学・大阪大学の研究者が2006年に発表した実験結果では、屋内空間に観葉植物を設置した場合、設置しない場合に比べてストレスホルモンが減少すると報告されています。人がストレスにさらされた際に分泌される「コルチゾール」というホルモンの増加率が、植物がある空間と無い空間で大きく異なることから、植物には心理的にも生理的にもストレスを軽減させる効果があると考えられます。

また、実際のオフィスを想定して複数のパターンで植物を設置した実験では、収納や植物の設置を左右対称にするクラスター型設置が、もっともストレス軽減効果の高いレイアウトであるという結果も導き出されていました。

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疲労感を減らす効果

職業能力開発総合大学校が2012年に発表した研究結果によると、オフィスにおける緑視率の高さは、ストレスだけでなく疲労感も軽減するとされています。
特に、眼精疲労を和らげる効果が高いという結果が報告されており、緑視率の高さはパソコンのディスプレイを長時間見ることが多い、オフィス内での作業をより快適にするために効果的だと言えます。
また、植物には蒸散作用という水蒸気を放出する機能が備わっているため、オフィス内の湿度を高めてドライアイを予防することもできると考えられます。

オフィス内の空気清浄効果

NASAが2007年に発表した実験結果では、植物には空気中の有害物質を分解する天然の空気清浄作用があると報告されています。例えば、ホルムアルデヒドやベンゼンといった化学物質を植物が吸い込むことで、頭痛・めまい・倦怠感などの症状を引き起こすシックハウス症候群の予防・改善が期待できるようです。
観葉植物として人気の品種であるサンセベリアやアンスリウムなどは、「エコプラント」として高い空気清浄効果を持つとされており、乾燥に強く手入れの手間がかからないため、オフィスに取り入れやすいと人気の品種です。

緑視率は高すぎると逆効果?

オフィスの緑視率を高めて業務効率アップを目指すには?

ここまで、オフィスにおける緑視率の向上が、従業員のストレスや疲労を軽減させることについてご紹介しました。しかし、ただ単に緑を増やせば効果が得られるとは限らないという研究結果も出ています。

豊橋技術科学大学の松本博名誉教授の発表によると、オフィス内の緑視率が高すぎる場合はむしろ生産性や空間への満足度が低下してしまう、という調査結果が報告されています。
研究の結果、オフィスにおける緑視率の最適値は「10~15%」であると導き出され、この数値において従業員の生産性が最も高まったと報告されています。
また、オフィス内に緑を設置することで得られる効果には、時間的な推移があるという結果が実証されています。設置してすぐの時点では、従来の環境とのギャップから一時的に拒絶反応が出てしまいますが、この拒絶反応は「好転反応」であり、設置後の時間経過に伴い段階的に従業員のストレスが低減していくそうです。

オフィスで取り組める緑視率向上

オフィスの緑視率を高めて業務効率アップを目指すには?

続いて緑視率を高め、ストレスの無い環境を作る植物選びのポイントをご紹介します。

効率を重視して、手間のかからない観葉植物を選択する

オフィスにおける植物選びで重要なのは、管理しやすい植物を効率的に設置していくことです。デリケートな品種は、水やりが毎日必要であったり、太陽光に一定時間当てる必要があったりと人的な作業が増えてしまうため、手間がかかる品種は避けた方がよいでしょう。

具体的には、最小限の水やりで済むサボテンなどの多肉植物や、乾燥に強いサンセベリア、葉が落ちにくく清掃の手間がかからないベンジャミン、日陰に強いアグラオネマなどがオフィス向きと言われます。

省スペースを意識して、コンパクトなサイズの品種を設置する

観葉植物というと、インテリア用品店などに並ぶ大型のものを想像する場合も多いのではないでしょうか。しかし、オフィス内という限られた空間では、大型の観葉植物がレイアウト上の障害となってしまう可能性があります。そのため、まずは卓上に気軽に設置できる小型の品種を選ぶと良いでしょう。
小さめで卓上に置きやすいテーブルヤシや、土を必要としないエアプランツ、小型ながら高い空気清浄効果を持つポトスなどが特におすすめです。
の拒絶反応は「好転反応」であり、設置後の時間経過に伴い段階的に従業員のストレスが低減していくそうです。

オフィスの緑視率向上に役立つ COMORE BIZ(コモレビズ)とは?

オフィス内における緑視率向上は、業務効率の向上やストレス低減などの効果をもたらします。しかし、植物を生かした効果的なレイアウトや最適な植物の量を考えることは、ハードルが高いと感じるかもしれません。そのような場合は、空間デザインの専門家に相談することもひとつの手です。

パソナ日本総務部が展開する COMORE BIZ(コモレビズ)は、科学的なエビデンスに基づいて最適な植物の設置を提案する、最先端のオフィス緑化サービスです。
最適な緑視率を計算した植物のレイアウトと共に、オフィス全体のデザイン性や機能性も重視した理想の空間を演出することが特徴です。
また植物だけでなく音や香りといった点にも着目し、オフィスの生産性を最大に引き出す空間をデザインしていますので、ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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