職場環境の重要性とは?改善のアイデア・良好事例とあわせて解説

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2022年09月08日 配信
2025年01月14日 更新

職場環境の重要性とは?改善のアイデア・良好事例とあわせて解説

職場環境の重要性とは?改善のアイデア・良好事例とあわせて解説
オフィス環境改善・施設管理

職場環境の改善をはかり、より良い職場作りを進めていきたいとお考えの方は多いのではないでしょうか。職場環境の改善には、従業員の心理的ストレス軽減や生産性の向上、業務効率化など、さまざまなプラスの効果が期待できます。そこで今回は、職場環境改善のアイデアやその効果、具体的な良好事例などについて詳しく解説します。

職場環境の重要性と効果

職場環境を整えることの重要性は、多くの現場で認識されはじめています。職場環境改善には厚生労働省も言及しており、国内でも非常に注目されているトピックスだと言えるでしょう。
ここでは、職場環境の重要性と効果について詳しく解説します。

職場環境は企業の成長に直結する

「職場環境」とは、労働時間やオフィス内の照明の明るさ、空調の効き方、従業員同士の人間関係、業務の進め方など、従業員にかかわるあらゆる環境のことを指します。働き方の多様化に伴い、多くの従業員が出社する目的・意味を求めるようになったことで、今職場環境の改善に注力する企業が増えています。

もし1日の大半を過ごす職場環境が快適に整えられていなければ、作業効率が大きく低下するだけでなく、モチベーションの悪化や業務の停滞につながるおそれもあります。
また、ワークライフバランスが乱れたりストレスが溜まったりして、心身の健康に悪影響を及ぼしかねません。

健康経営・ウェルビーイング経営への関心が高まる中、従業員の心身の健康と企業の成長は切っても切り離せない関係になっています。
そのため、ただ作業をする場所ではなく「価値を共創し、経営課題を解決する場」として職場を確立させることが重要になっているのです。

厚生労働省も「職場環境の改善は生産性の向上をもたらす」という考え方を公表しているように、職場環境の充実は、企業の成長に欠かせない要素であると言えるでしょう。

職場環境改善の効果

職場環境を改善することには、主に以下のような効果があります。

従業員のストレス軽減

職場環境を改善すると、従業員のストレス軽減効果が期待できます。
日々の労働のなかで従業員は少しずつストレスを蓄積させています。劣悪な職場環境で働き続けるといつしか限界を迎え、体調不良やメンタルヘルスの不調を訴えて休職や退職につながってしまうこともあります。

職場環境の改善に取り組んで従業員のストレスをできるだけ減らし、快適に働いてもらえるように意識することで、従業員の良好な健康状態の維持や現場の生産性向上が期待できます。
実際に、職場環境を改善することによってメンタルヘルス不調の割合が低下するとも言われています。

従業員の生産性向上

明るさや気温・湿度、音などの外的要因を改善し、良好な職場環境になれば、従業員の集中力やモチベーションが高まるため、生産性の向上が期待できます。
職場環境に対する不満を可能な範囲で減らすことで、従業員一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮できるようになります。

従業員満足度の向上

職場が清潔に保たれていたり、集中して仕事ができる環境・設備が整っていたりすると、従業員満足度がアップしやすくなります。これに伴い、心理的・体力的なストレスの軽減や、働きがいの向上も期待できるでしょう。

チームワークの向上

職場環境を見直す一環として、たとえば従業員が休憩・雑談できるスペースや時間を設けることで、従業員同士のコミュニケーションが活性化します。
また、従業員が互いを尊重し、尻込みせず意見を発信できるようなオープンな場や雰囲気を構築すれば、良好な協力関係を生み出しやすくなるでしょう。
職場環境を改善すると、これらの要因により社内全体の連携力や一体感がさらに強化されるため、チームワーク向上の効果が期待できます。

離職率の低下とリクルートの強化

職場環境の改善として、仕事とプライベートを両立させやすい環境を整えることで従業員が働きやすさを感じ、離職率が低下しやすくなります。自社に愛着を感じるようになり、一人ひとりが長く在籍し活躍するようになるのです。

また、従業員の離職率が低いことは求職者の目に魅力的に映るため、採用活動をより有利に進められるでしょう。優秀な人材を確保しやすくなる可能性があります。

健康経営への投資とリターン

製薬や医療機器、ヘルスケア関連製品などを取り扱う「ジョンソン・エンド・ジョンソン」は、健康経営への投資に対するリターンの試算を行い、その結果を「1ドルの投資に対して3ドル分のリターンがある」と発表しています。つまり、投資額の3倍の効果が見込めるということです。

職場環境の改善は、言わば健康経営への第一歩です。大きなリターンを得られる点は、企業にとってうれしいメリットと言えるでしょう。

職場環境を改善すべき?3つの判断ポイント

職場環境を改善すべき?3つの判断ポイント

職場環境を改善すべきか否か、判断できずお困りの場合は、以下のポイントを基準に検討してみてください。

生産性

生産性は、企業の業績を左右する要素のひとつです。なるべく高く維持するのが望ましく、そうすることで利益率を上げやすくなります。

生産性が低い職場では残業が常態化し、それが美徳とされている傾向があります。また、業務が属人化しており、担当者が不在の場合は進行できず停止してしまうこともあるでしょう。

生産性が低い職場だと、当然利益率が低くなり、それに伴い従業員の給料も低くなってしまいます。また従業員自身、仕事へのメリハリがつきづらくなり、モチベーションの低下を招きかねません。

このような状況に心あたりがある場合は、一刻も早く職場改善に取り組むことが重要です。

業務効率

アナログ業務が多い場合、書類作成や管理を手作業で行わなければならず、余計に時間がかかってしまいます。また、書類やファイルが散乱して限られたスペースを埋め尽くし、業務に支障が出ることも考えられます。

業務にデジタル化を取り入れれば、より効率的に作業ができるようになるほか、ペーパーレスによるコスト削減などのメリットも得られます。つまり、これまで以上に快適で仕事がしやすい職場を構築できるのです。

この点から、もしアナログ業務が多いのであれば、職場環境を改善する必要があると言えるでしょう。

対人関係

同じ部署に所属するメンバー同士でコミュニケーションを取れているか、労働時間や業務負荷は適切か、従業員が仕事とプライベートを両立できているかなど、職場環境そのものを確認することも重要です。

たとえば、情報共有や意思疎通ができていない場合は、コミュニケーションが不足している可能性があります。従業員のパフォーマンスが低い場合は、長時間労働や過剰な負荷が原因かもしれません。

このように職場環境に少しでも問題があるようなら、改善に取り組むことが重要です。悪い職場環境を放置していると、従業員の健康やモチベーションに悪影響を及ぼし、ひいては企業の業績悪化につながる可能性があります。そうならないためにも、早めに改善策を練りましょう。

職場環境改善のアイデア集

職場環境改善のアイデア集

ひと口に職場環境改善といっても、アプローチの方法はさまざまです。ここでは、手軽に始められる職場環境改善のアイデアをいくつか紹介します。

作業環境の管理

作業環境の管理とは、オフィスや執務スペースの温度・湿度などを、業務に適した環境に保つことです。作業環境を向上させる主な手法として、空調設備の調整や緑の充実、BGMの導入などが挙げられます。

空調設備

寒すぎる、もしくは暑すぎる職場では、集中力が損なわれて生産性が上がらないだけでなく、風邪をひくなどの身体的不調の原因にもなります。適切な温度・湿度を維持することで、従業員の集中力や健康を維持して快適に働ける環境を作ることができます。

ただし、人それぞれに感じ方は異なるため、すべての人に快適な温度・湿度を保つのは難しいでしょう。また同じ部屋の中でも、場所によって空調の効きが異なることはよくあります。より多くの従業員が快適に過ごせるようにするためには、ハイブリッドファンを導入するなどして室内に快適な風を循環させ、温度や湿度を均一にする方法がおすすめです。

また、空気環境という面ではアロマを導入するのも一案です。ローズマリーやユーカリ、ペパーミントなどのアロマを取り入れれば、従業員の集中力や創造性の向上が期待できます。香りによって得られる効果は異なるため、自社が求める効果を基準に選ぶと良いでしょう。
ただし、香りの好みは人それぞれなので、従業員の意見にも耳を傾けることが重要です。

くわえて、アロマはブランディングの新たな手法としても注目を集めています。実際に自社オリジナルのアロマを作り、香りをブランディングに活用する企業もあるようです。エントランスや受付、応接室などにアロマを取り入れることで、来訪者の自社に対するイメージがより良くなる可能性があります。

パソナ日本総務部の「コモレビズ」ではアロマ以外にも、オフィスにいながら森林浴の効果を得られる「フィトンチッド」という森林成分を噴霧することで、空気の環境を整える方法を採用しています。心地良い空間のプロデュースに大いに役立つでしょう。

グリーンの配置

職場に植物を置いて緑を増やすことで、ストレスを軽減する効果が期待できます。
実際に、2013年8月に日本建築学会が発表した研究結果によれば、「緑視率(人の視界に占める緑の割合で、緑の多さを表す指標)とストレスの軽減度は比例する」という結果が報告されています。

コモレビズでは空間設計と植物のプロが、内装から家具・植物の選定、配置までをトータルにコーディネートし、施工まで一括で行います。
ストレス軽減に効果がある植物や樹種を選定すると同時に、最適な緑視率となるよう設計段階から事前シミュレーションを行うことで、ストレス軽減効果の最大化をはかります。

また、葉の形状によって異なる“人への効果”を考慮し、業務目的に合わせた植物を採用した空間デザインも可能です。人と植物が共生できる環境を目指して、総合的なバイオフィリックデザイン空間をご提案します。

照明管理

照明の明るさは、従業員の快適性と集中力を左右する要素のひとつです。そのため、自然光やサーカディアン照明などを導入し、体内バイオリズムを整えて健康的に働ける環境を作るのも良いでしょう。

BGMや自然音の導入

オフィスに音楽や自然音を流すことで、職場の雰囲気が和やかになり、コミュニケーションを活性化させる効果が期待できます。現代のオフィスは騒音以上に「静かすぎる」という課題があります。無音の空間に音楽や自然音を流すことで、会話をしやすくなり、従業員同士の関係が良好になったという例もあるようです。

また、植物とハイレゾ自然音がある空間は、それらがない空間に比べて統計的に有意に集中力とモチベーション、発散的思考を高める傾向があることが実証されています。ハイレゾ音源とは、CDなどの圧縮された音源には含まれない幅広い音域を含む音源のことで、リラックスや脳の活性化に効果があります。

作業方法の改善

作業方法の改善

作業方法を改善することで、従業員の負担改善をはかるアイデアもあります。ここでは、5つの方法を紹介します。

業務・勤務管理の徹底

業務・勤務管理の徹底により、特定の従業員に負担が偏っているなどを是正することで、ストレスを軽減して生産性を向上する取組みは重要です。社内で働く従業員にどのような業務が割り当てられており、それぞれに対する負荷は適切かどうかを検討しましょう。

また、十分な休暇・休息が与えられているかもチェックして、働きすぎにより心理的な負担が増加していないかにも気を配る必要があります。

オフィス家具の買い換え

いすやデスクなどのオフィス家具を買い換えることで、業務の快適性を向上させる方法も有効です。
リクライニング機能がついたいすや作業スペースを十分に確保できるデスクなど、従業員の快適性を高めるオフィス家具の導入は、ストレス軽減とともに業務効率化につながります。

多様な働き方に応じたツールの導入

多様な働き方に対応するには、勤務時間を柔軟に選択できる「フレックスタイム」や、オフィス以外の場所で業務ができる「リモートワーク」などを導入する必要があります。その際は、オンラインチャットツールを取り入れたり社用携帯を貸与したりして、業務が円滑に進むよう配慮することが重要です。そうすることで、時代に合わせた企業文化のアップデートが可能になると同時に、従業員一人ひとりのワークライフバランスの促進に貢献できます。

座席・会議室の予約管理で効率化

会議室の予約管理制が整備されていないと、「必要なときに会議室が空いていない」などのストレスを抱えるだけでなく、会議や打ち合わせのスムーズな進行を妨げます。座席・会議室をグループウェアやワークフローシステムなどによって予約制にし、使いたい人がすぐに使える環境を整えることも大切です。

リモート会議に集中できるブースやエリアの設置

リモートワークを導入した場合、従業員同士でリモート会議を行うことが増えます。また、遠方の取引先とリモート会議をすることもあるでしょう。
リモート会議専用のブース・エリアを設置すれば、周りの声や騒音が相手に伝わったり、周りの視線が気になったりすることがなく、集中して取り組めるようになります。また、同じオフィスにいる従業員もリモート会議の声が気にならないので業務に集中しやすく、ひいては生産性の向上が期待できるでしょう。

多目的スペースの整備

リラックススペースや、多目的に使用できるラウンジを導入する企業も増えてきています。

リラックススペースを作る

休憩時のリラックス効果をより高めるために、休憩時専用のリラックススペースを作る方法があります。
ソファや自販機を設置したり、かんたんなストレッチが行えるスペースやパワーナップルームを作ったりして、しっかりと休憩できる場所を確保することで午後の生産性維持につながります。

多目的スペース・ラウンジの設置

休憩だけではなく、簡単な打ち合わせや気分を変えて仕事をしたいときなど、多目的に利用できるラウンジを導入する企業が増えています。自然と人が集まる場所をつくることで、部門や立場の壁を越えたコミュニケーションが生まれ、新たな交流やアイデアの創出が期待できます。

人間関係

業務上の人間関係は、ときに従業員に甚大なストレスをもたらす可能性があります。そこで、人間関係のストレスを最小限に抑えるための対策を行うことが重要です。

セクハラやパワハラの相談・アンケートの実施

所属する部門や組織でセクハラやパワハラの被害を受けていないか相談できる窓口を設置したり、匿名性が保たれるアンケートを実施したりする対策は有効です。セクハラやパワハラの相談窓口は、直接相談するだけでなく、メールによる相談を受け付ける企業も多いようです。
アンケートや相談により人間関係に問題が生じていることが判明した場合は、早急に問題の解決をはかるために動き出すことが大切です。

社内コミュニケーションをはかれる環境やイベントの実施

バーチャルオフィスを導入したり、社内イベントを開催したり、社内報・イントラを活用した発信を行ったりして、コミュニケーションの活性化をはかりましょう。
仕事中はもちろん、それ以外でもコミュニケーションが取れる環境を整えることで、メンバー間の信頼関係や連帯感、協調性がより強化されます。

職場環境改善の良好事例

職場環境改善の良好事例

近年では、さまざまな企業で職場環境改善への取組みが行われています。ここでは、職場環境改善の取組みとして、バイオフィリックデザイン「COMORE BIZ(コモレビズ)」 を導入した3社の良好事例をご紹介します。

株式会社エム・シー・ファシリティーズ

株式会社エム・シー・ファシリティーズでは、オフィスの快適化やコミュニケーション活性化、プロモーション効果の向上のために「コモレビズ」導入に踏み切りました。同社では創立70周年をきっかけにオフィス改革プロジェクトを推進しており、「Well-being(ウェルビーイング)」を実現できるオフィス空間を目指していました。

コモレビズの導入後は従業員から「緑が美しい」「リアルな植物のほうが癒される」などの好意的な意見が寄せられたそうです。また、コモレビズを導入したエリアに社員が積極的に集まるようになったといいます。

導入事例詳細

株式会社月星製作所

株式会社月星製作所は、オフィスに「ひらめき」と「ストレス軽減」を生み出す要素をプラスしたいという想いからコモレビズの導入を検討。その後、実際にコモレビズを導入しているオフィスの見学に出向き、コモレビズが作り出すオフィス空間に大きなインパクトを受け、導入を決心しました。

コモレビズを導入する際は、石川県という土地柄を考慮し、厳しい寒さや乾燥に強い植物を選ぶことや、気温差の激しい窓から遠い場所に植物を配置することを意識したそうです。

導入後は従業員同士のコミュニケーションが促進されたと同時に、本物の植物に対する愛情をきっかけに人間力の向上にもつながったと実感しているそうです。

導入事例詳細

ポラスグループ 第一エネルギー設備株式会社

ポラスグループ 第一エネルギー設備株式会社は、ポラス本社ビルのエントランスに導入したコモレビズが社内外から好評だったことを受け、新社屋への導入を検討したといいます。その後、コモレビズのバイオフィリックデザインによる快適性とリラックス効果、そして研究に基づいた確かなエビデンスが決定打となり、本格的に導入を決断したそうです。

コモレビズを導入したのは、従業員が休憩や食事、打ち合わせなどさまざまな用途で使える共用スペース。緑視率を保てる席をできるだけ多く取り入れ、心身ともにリラックスできるようにこだわってレイアウトしたそうです。

導入後は他部署やグループ会社の交流が増え、社内のネットワークやコミュニケーションが強化されたといいます。それに伴い、従業員の生産性や創造性も上がったそうです。

導入事例詳細

まとめ

まとめ

職場環境の改善は、従業員の心理的ストレスを軽減し、業務効率化や生産性の向上につなげる効果が期待できます。劣悪な職場環境を改善せずに放置すると、体調不良やメンタルヘルスの悪化で休職や退職が増加するリスクもあるため、働きやすい職場環境の実現をはかりましょう。

職場環境改善には、さまざまなアプローチ方法があります。自社が取り組めそうな部分から少しずつ取り入れて、快適な職場環境に改善していくことをおすすめします。

パソナ日本総務部では、職場環境を整え生産性の向上が期待できるバイオフィリックデザインソリューション「コモレビズ」を提供しています。「従業員のストレスを軽減したい」「リラックスできる仕事空間を作りたい」などとお考えの方はぜひお気軽にお問い合わせください。

このほか、社内コミュニケーションの醸成に効果的な「イベント支援サービス」、オフィスの移転やレイアウトの変更をサポートする「オフィス移転・レイアウト変更」も行っていますので、あわせてご検討ください。
 

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