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2022年10月13日 配信
2026年05月19日 更新

ローリングストックとは?企業で取り入れるメリットやポイントを解説

ローリングストックとは?企業で取り入れるメリットやポイントを解説
防災,BCP

突然の災害時などに備えて、企業には防災グッズの備蓄が求められます。賞味期限内の食料品や日用品をストックしながら、期限切れで廃棄する備蓄品の量を最小限に抑えるためには、ローリングストックの活用が効果的です。 ローリングストックを活用すると、突発的な災害に備えながらも廃棄などの無駄が出にくい防災備蓄品管理が実現します。
そこで今回は、ローリングストックの基礎知識や、企業での防災備蓄に取り入れるメリット・デメリット、向いている食品、ローリングストック運用における企業の課題について解説します。

目次

ローリングストックとは

災害などの非常時に備えるための「ローリングストック」が、個人だけでなく企業からも注目されています。
ここでは、ローリングストックの意味や、企業で採用されている背景などについて解説します。

ローリングストックの意味

ローリングストックとは、非常食を購入し賞味期限が来る前に定期的に消費して、不足した分を都度補充する備蓄方法のことです。たとえばカップ麺を5個ストックしている場合、日常生活の中で1個消費したら、1個買い足します。これによって常に賞味期限の新しい食品を備蓄できます。
ローリングストックは食品の備蓄方法として知られていますが、日用品や使用期限のある医薬品などにも応用が可能です。

企業のより適切な備蓄品管理につながる

企業には、地震や台風など自然災害の発生時に、従業員を安全に避難させられるように防災グッズを確保することが求められています。
しかし従業員の人数が多いほど備蓄する食料や日用品の数が増え、管理も難しくなります。こうした課題に対して、ローリングストックを活用して防災備蓄品を管理すれば、常に新しい防災グッズが備蓄できます。
備蓄品の定期的な点検にもつながるため「気がついたら期限が切れていた」という事態も回避できます。

企業でのローリングストックのポイント

企業がローリングストックを実施する際は、在庫管理や先入れ先出しの運用徹底が必要です。

防災グッズの在庫管理表を作成する

備蓄する防災グッズの種類や量が増えるほど、管理の難易度が上がります。そこで企業でローリングストックを実施するには、まず自社が管理している防災グッズの在庫管理表を作成し、一元管理できる仕組み作りを行うことが重要です。

在庫管理表は、エクセルやGoogleスプレッドシートで作成するのが一般的です。賞味期限や使用期限、購入日、備蓄品の種類、数量、保管場所などの情報を一覧にまとめて、ひと目で在庫を把握できるようにします。
ただし、エクセルなどで管理する場合、いつ・誰が・どの項目を更新したかを把握するのは困難です。また不注意によるデータやファイル消失の恐れもあるため、最近はクラウドなどで手軽に利用できる防災備蓄品の管理システムを利用するケースが増えているようです。

先入れ先出しの管理を行う

賞味期限や使用期限切れを起こしにくいローリングストックには、入庫日の古いものから先に使用する「先入れ先出し」を行うこともポイントです。新たに購入した防災グッズは保管スペースの奥に入れ、古い防災グッズは手前に配置することを徹底すると、自然とスムーズに古い備蓄品から消費できるようになります。

ローリングストックのメリット

ローリングストックは突発的な災害への備えに加え、食品の無駄を抑えたり賞味期限の管理が簡単になったりとさまざまなメリットがあります。それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

突発的な災害への対応が可能になる

近年では大規模な自然災害が多発しており、地震や豪雨などの災害がいつ発生するのか予測不可能です。自然災害が発生してから食料品や日用品などの生活必需品を確保するのは困難であるため、事前に備蓄として準備しておくことが欠かせません。

ローリングストックで日ごろから食料品や日用品を備蓄しておけば、もし業務時間中に突発的な災害が発生し、帰宅困難でオフィスに留まらざるを得なくなった場合にも、生活必需品の不足に悩まされることがなくなるでしょう。

食品が無駄になりにくい

企業における備蓄管理では、「非常時専用」として保管されたまま更新が滞り、賞味期限切れによる廃棄が発生するケースが少なくありません。一方、ローリングストックを導入すれば、備蓄品の確認頻度が高まることが期待できます。また期限切れ間近となった備蓄品を平時の福利厚生(備蓄品を軽食として提供することなど)や防災研修、訓練の際に消費する運用も可能となり、自然な形で在庫の入れ替えが進みます。

賞味期限や使用期限の管理が簡単になる

通常の備蓄方法では、定期的に備蓄品の賞味期限や使用期限チェックを行い、期限が切れているものを廃棄して、破棄した分を新しく買い直すという作業が発生します。

しかし、ローリングストックなら「古いものから定期的に消費し、使った個数分だけ補充する」作業を行うだけで備蓄が完了するため、賞味期限や消費期限の管理がより簡単になります。

従業員のストレス軽減・嗜好配慮につながる

ローリングストックでは、日常的に消費することを前提に食品を選定・備蓄するため、従業員の嗜好や食習慣に配慮したラインナップを整えやすくなります。これにより、非常時に「食べ慣れない」「口に合わない」といった心理的負担が軽減され、安心感の確保につながります。

また災害時の不安や緊張が高まりやすい状況下では、食事の質が従業員のコンディションに影響する場面も想定されます。平時から慣れ親しんだ食品を備えておけば、環境変化によるストレスを抑えることが期待でき、落ち着いた行動や業務継続を支える一助となります。

非常時の健康維持・労務リスク低減につながる

ローリングストックを取り入れることで、一定の栄養バランスや衛生面に配慮した食品を継続的に確保しやすくなります。定期的に消費・補充が行われるため、品質が維持された状態で備蓄されやすく、非常時においても安定した食事の提供が可能となります。

十分な栄養や水分を確保できない状況では体調不良になりやすく、結果として労務リスクの増加につながる可能性があります。ローリングストックによって適切な備蓄体制を構築することで、従業員の健康維持を支援し、非常時における安全配慮や事業継続の観点からも有効に機能すると考えられます。

ローリングストックのデメリット

ローリングストックにはメリットがある反面、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、代表的な2つのデメリットについて解説します。

保管スペースに余裕が必要

ローリングストックは災害発生時以外のタイミングでも食料品や日用品を消費することが前提のため、先に入庫した古い備蓄品もできるだけ取り出しやすい位置に保管したいところです。そのため、十分な保管スペースを確保できない企業では、平常時のローリングストックがスムーズに運用できない可能性があります。

長期保管できる食品はコスト高である可能性も

ローリングストックは、基本的にどのような食品でも運用することが可能です。しかし備蓄の最大の目的は、いつ発生するかわからない自然災害時の利用であることを考えると、賞味期限がある程度長く、災害時に手軽に食べられるレトルト食品や缶詰、栄養補助食品などを備蓄するケースが多いでしょう。

長期保管に耐えられるようにするには、包装資材がしっかりした商品を選ぶ必要があり価格がやや高くなる傾向があります。目先のコストは気になるところですが、備蓄品はいざという緊急時に使えなければ意味を成しません。コスト高になったとしても、ローリングストックの活用で無駄なく使い切ればデメリットも小さくなるのではないでしょうか。

ローリングストックに向いている食品

ローリングストックでは、「日常的な消費が可能」と「一定期間の保存が可能」の両立が重要になります。企業での運用を前提とする場合は、配布のしやすさや保管効率、従業員の嗜好への配慮といった観点も踏まえて選定することが求められます。

ローリングストックに向いている代表的な食品は以下の通りです。

パックご飯・お粥 常温保存が可能で、開封後すぐに食べられるため、非常時でも扱いやすい食品です。消化に配慮したお粥は、体調不良時の選択肢としても有効です。
乾麺・カップ麺 保存性が高く、比較的長期間の備蓄に適しています。調理に水や熱源が必要ではありますが、非常時に温かい食事が確保できれば心理的なリラックス効果が期待できます。
レトルト食品 カレーや丼ものなど種類が豊富で、日常利用にも取り入れやすい食品です。温めずに食べられる商品もあり、非常時にも使いやすいでしょう。
フリーズドライ食品 軽量かつコンパクトで保管しやすく、必要な分だけ使用できる点が特長です。温かい味噌汁やスープなどは、食事の満足度アップにもつながります。
缶詰 肉・魚・野菜・果物など幅広い種類があり、栄養バランスを補完しやすい食品です。長期保存が可能で、備蓄のベースとして活用しやすいと言えます。
お菓子 チョコレートやビスケットなどは、手軽にエネルギー補給ができるほか、心理的な安心感の確保にもつながります。平時にも有効活用しやすいでしょう。

これらの食品を組み合わせることで、日常消費と備蓄のバランスを取りながら、無理のないローリングストック運用を構築することができます。企業における利用シーンや従業員数、保管スペースなどに応じて適切に選定することが重要です。

ローリングストックの手順

ローリングストックを行う際は、次の5つの手順に沿って準備を進めましょう。

1.備蓄量を把握する

まずは、自社に必要な備蓄量がどの程度なのかを把握することが大切です。備蓄量が判明しなければ、確保しなければならない保管スペースの広さや、かかるコストなども明らかになりません。

内閣府や農林水産省によれば、食料品の備蓄量の目安は1人あたり最低でも3日分とされています。可能であれば1週間分あると、さらに安全な避難生活を送りやすいでしょう。

必要な備蓄量が判明したら、実際に購入手続きを行います。オンラインショップなどでの購入も可能ですが、数量や納入先が多い場合は防災備蓄品の専門会社に相談した方がスムーズでしょう。防災の専門会社であれば、企業防災のトレンドや他企業の備蓄傾向などのノウハウを基にした、必要な備蓄品のアドバイスや提案も期待できるでしょう。

2.品目と賞味期限・使用期限を記載して保管する

購入した備蓄品は、箱などに入れて品目や賞味期限・使用期限を明記しましょう。どのような備蓄品が入っているのかがわからなければ、使用するたびに開封して中身を確認しなければならず、管理の手間がかかります。加えて、賞味期限や使用期限を明記することで、古い備蓄品の所在をひと目で把握でき、期限切れによる廃棄を最小限に抑えられます。

3.保管内容をリスト化する

備蓄品がひと通りそろったら、在庫管理表を作成して保管内容をリスト化しましょう。
リストは在庫に変動があるたびにこまめに更新して、最新の状態を維持することが大切です。品目ごとに管理表を分けるのではなく、できるだけひとつのリストにまとめてクラウドシステムなどで一元管理できる仕組みがおすすめです。

4.期限が近づいたものを消費する

在庫管理表の内容を定期的にチェックし、期限が近づいたものから順番に消費しましょう。期限が切れてしまうと基本的には廃棄しなければならないため、賞味期限や使用期限をあらかじめ正確に管理することが求められます。

5.消費した分を補充する

古いものを消費したら、消費した分だけ新しいものを購入し保管スペースに補充します。新しく購入した備蓄品の内容は、外箱に品目や期限を記入するだけでなく、在庫管理表にも忘れずに情報を反映しましょう。

ローリングストック運用における企業の課題

ローリングストックは、備蓄と日常消費を組み合わせた有効な手法である一方、企業においては継続的な運用体制の構築が求められます。以下では、実務上生じやすい課題をいくつかご紹介します。

運用が属人化しやすい

備蓄管理は総務や防災など特定の担当者に依存しやすく、実務ノウハウが個人に蓄積される傾向があります。そのため、担当者の異動や退職が発生した際に運用が停滞するケースも少なくありません。管理方法やルールがマニュアルなどで見える化されていない場合、在庫状況の把握や引き継ぎが難しくなり、運用の安定性に影響を及ぼす可能性があります。

在庫管理・更新の手間がかかる

ローリングストックでは、定期的な棚卸しや賞味期限の確認に加え、消費と補充のサイクルを回していく必要があります。これらの業務は継続的に発生するため、運用負荷が高まりやすい点が課題となります。とくに、拠点数や従業員数が増えるほど管理対象が広がり、全体の把握や調整が煩雑になる傾向があります。

保管スペースや拠点間管理の最適化が難しい

複数拠点を持つ企業では、備蓄の分散配置が求められるケースが多く、拠点ごとの在庫量や保管環境の最適化が課題となることがあります。過不足の調整や配置バランスの見直しには一定の工数がかかり、全社的な視点での管理が求められます。

ローリングストックが活用されず形骸化する可能性もある

平常時の消費のタイミングや利用シーンが明確に設計されていない場合、備蓄が十分に活用されず、単なる保管にとどまる可能性があります。その結果、在庫が循環せず、賞味期限切れによる廃棄が発生するなど、ローリングストックの本来の目的である有効活用が実現されないケースも見られます。

パソナ日本総務部の備蓄管理支援サービス

ローリングストック運用における課題に対応するためには、属人化の解消や在庫管理の効率化、拠点間の最適化といった観点から、継続的に運用を支える仕組みが求められます。こうした背景のもと、備蓄管理を専門的に支援するサービスの活用も選択肢のひとつとなります。
パソナ日本総務部では、防災備蓄品の管理・運用に関する課題に対応するサービスを提供しています。

防災備蓄品管理BPOサービス(防災備蓄品管理代行・アウトソーシング)

防災備蓄品管理BPOサービス(防災備蓄品管理代行・アウトソーシング)」は、備蓄品の管理に関するさまざまな業務を代行するサービスです。備蓄品の管理業務を外部に委託することで、定期的な管理プロセスを仕組みとして運用でき、更新漏れや期限切れといったリスクの低減にもつながります。結果として、運用の継続性を確保しつつ、社内リソースの最適配分や管理負荷の軽減を図ることが可能となります。

防災備蓄品ワンストップサービス(購入~在庫の管理代行、システム導入)

防災備蓄品ワンストップサービス(購入~在庫の管理代行、システム導入)」は、備蓄品の選定・購入から在庫管理、運用体制の整備までをニーズに合わせて支援するサービスです。必要な備蓄品の検討段階から関与することで、企業ごとの拠点数や従業員規模、利用シーンに応じた備蓄設計が可能となります。さらに、管理代行に加えてシステム導入による在庫の可視化・効率化にも対応しており、拠点ごとの在庫状況や賞味期限の把握を一元的に行える体制構築を支援します。これにより、分散管理に伴う煩雑さの軽減や在庫バランスの最適化、運用の精度向上といった課題への対応が期待されます。

まとめ

ローリングストックを活用することで、突発的な災害にも備えることができ、さらに賞味期限や使用期限の管理も簡略化できます。備蓄品の有効活用のためには、ぜひ検討したい手法のひとつです。
しかし、管理する備蓄品の種類や量が多いと、日々の業務の中で備蓄品の管理が負担に感じられる場合も多いでしょう。こうした課題に対しては、管理体制の見直しや外部サービスの活用も選択肢となります。
パソナ日本総務部では、防災備蓄品の選定・購入から在庫管理、運用体制の整備までを支援するサービスを提供しています。防災グッズの管理にお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。

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