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2023年11月21日 配信
2025年12月26日 更新

企業防災とは?取り組むべき理由や主な取り組みを徹底解説

企業防災とは?取り組むべき理由や主な取り組みを徹底解説
防災,BCP

過去の震災の経験から、企業が災害への対策を行う「企業防災」の取り組みが急務となっています。企業においては人命を守ることはもちろんのこと、緊急時の事業継続に必要な“備え”も重要です。本記事では、企業防災の基礎知識や企業防災の主な取り組みを事前・災害時・事後に分けてご紹介します。

企業防災とは?

企業防災とは、自然災害の発生において企業が取り組むべき対策を指します。個人の災害対策とは目的や範囲が異なり、企業防災には「防災」と「事業継続」の2つの視点があります。
企業防災における「防災」とは、従業員や顧客の安全を確保し、帰宅困難者の発生を防ぐ対策です。飲料や食料品の備蓄・防災訓練・建物の耐震補強がこれにあたります。

一方の「事業継続」は、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)に基づく対策です。具体的には、事業復旧の手順をマニュアル化し、各種業務のバックアップを図ります。自然災害の影響を最小限に抑え、企業にとって特に重要な業務をいち早く再開することで、損害の発生を最小限に留めるための取り組みです。

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防災が必要な理由

日本は地震や台風、大雨などの自然災害が多発する国であり、企業が防災対策に取り組むことは社会的責務でもあります。災害への備えを怠ると、従業員の安全が脅かされるだけでなく、取引先や地域経済にも影響が及ぶ可能性があります。

さらに、日本の企業には労働契約法に基づく安全配慮義務が課せられています。経営者は、従業員が安心して働ける環境を整える責任を負っており、防災備蓄や避難訓練など、具体的な対策を講じることが求められます。こうした取り組みを怠ると、企業の信頼性を損なうだけでなく、法的責任を問われる可能性もあります。

また、災害時の備蓄は事業継続にも直結します。水や食料などを備蓄しておくことで、災害時にも従業員が安心して過ごせる環境を整えることができ、業務を円滑に再開しやすくなります。災害の多い日本社会において、企業防災への取り組みは選択肢ではなく、企業の重要な責務と位置付けられています。

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【事前対策】企業防災の主な取り組み

企業が被害を最小限に抑え、従業員の安全と事業の継続を確保するためには、事前対策が不可欠です。ここでは、企業が災害発生前に取り組むべき主な防災対策についてご紹介します。

事業継続計画(BCP)を策定・更新する

企業が災害発生時に迅速かつ的確に対応するためには、事業継続計画の策定が不可欠です。この計画を策定する目的は、災害発生時においても重要業務を継続することです。具体的には、復旧手順や責任者、連絡体制を明確化することで、被害を最小限に抑えるための体制を整えます。さらに、事業を取り巻く環境やリスクは常に変化するため、定期的な見直しと更新を行い、計画の実効性を維持することも重要です。

防災体制を構築する

企業防災を効果的に機能させるためには、組織的な防災体制の構築が欠かせません。防災責任者を明確にし、災害発生時に指揮を執る対策本部を設置することで、迅速な判断が可能な体制が実現します。また、各部署の役割分担や連絡体制を事前に整理しておき、情報伝達や業務継続が滞りなく行える体制を整えることも重要です。

従業員を教育・訓練する

災害時に適切に行動するためには、従業員一人ひとりが防災知識と判断力を身につけることが重要です。そのためには机上のマニュアルだけでなく、実践に近い教育や訓練を取り入れる必要があります。

パソナ日本総務部の「従業員向け防災eラーニング『そなトレ』」では、テキストや動画による教材学習に加え、Web VRを活用した災害体験や理解度チェックを実施できます。これにより、従業員の防災意識と対応力を効果的に高められます。

さらに、パソナ日本総務部の「バーチャル防災訓練」を活用すれば、時間や場所にとらわれず訓練を行えるため、出社状況や拠点に関わらず、組織全体で均一な防災教育を推進することが可能です。

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災害時の連絡手段を整備する

災害発生時に迅速な情報共有を行うためには、複数の連絡手段を事前に整備しておく必要があります。電話やメールが使えない状況を想定し、安否確認システムや社内チャット、災害用伝言サービスなどを組み合わせて運用できる体制を整えておきましょう。また、連絡網や担当者の一覧を最新の状態に保ち、定期的に運用ルールを見直しておくことも効果的です。

防災用品・備蓄を確保する

災害時に従業員の安全を守り、事業への影響を最小限に抑えるためには、防災用品や備蓄品の確保が欠かせません。水や食料、簡易トイレ、救急用品などの基本的な備蓄に加え、停電対策としてポータブル電源などを整えることで、緊急時の対応力を高められます。備蓄品は使用期限を管理し、定期的に入れ替えることで、常に利用可能な状態を維持しておきましょう。

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建物・設備を耐震化・安全化する

災害時の被害を抑えるためには、建物や設備の耐震化・安全化が不可欠です。オフィス家具や什器の転倒を防ぐための固定や補強、建物の倒壊リスクを把握するための耐震診断を定期的に実施することも重要です。また、老朽化した設備や配管の点検・更新を進めることで、災害時の二次被害を防ぎ、従業員が安全に働ける環境を整えられます。

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データやシステムをバックアップする

災害時に事業を迅速に再開するためには、データやシステムのバックアップ体制を整えることが不可欠です。データはクラウド化や遠隔地へのバックアップを行い、被災リスクを分散させることが重要です。さらに、バックアップの取得頻度や復旧手順を明確にし、定期的に動作確認を実施することで、万一の際にも復旧できる体制を維持できます。また、契約書や帳簿などの紙媒体の重要書類についても、スキャンし同様にバックアップを保管しておきましょう。

協力企業・サプライチェーンと連携する

災害時も事業を継続するためには、協力企業やサプライチェーンとの連携が求められます。原材料や製品の供給、物流・輸送体制が途絶えないよう、事前に代替手段を確認しておくことが重要です。また、取引先の災害対応計画を把握し、緊急時の連絡ルールや優先対応の手順を整備することで、災害による影響を最小限に抑えられます。

地域と連携・協働する

災害発生時に迅速かつ円滑な対応を行うためには、地域との連携・協働が重要です。自治体や近隣企業と防災協定を結び、情報共有や物資支援の体制を整えることで、被害の拡大防止につながります。また、合同防災訓練を定期的に実施することで、緊急時の役割や連絡手順を確認し、地域全体で安全な対応ができる体制を築くことも可能です。

【災害時対応】企業防災の主な取り組み

災害発生時には、事前に整えた防災体制や計画に基づき、迅速かつ適切に対応することが求められます。ここでは、企業が実施すべき具体的な災害時対応の取り組みをご紹介します。

従業員の安全を確保し、避難を誘導する

災害発生時には、従業員の安全を最優先に確保することが不可欠です。避難経路や避難場所を事前に周知しておき、誘導担当者を配置してスムーズな避難を支援しましょう。

災害対策本部を立ち上げて初動対応を行う

災害発生時には、迅速な意思決定と指示伝達を行うため、災害対策本部を立ち上げることが必要です。本部では、従業員の安全確保や二次被害防止、再開すべき業務の優先順位を判断し、初動対応を組織的に進めます。また、状況に応じて各部署に指示を出し、混乱を最小限に抑えながら迅速な初動対応を行うようにします。

安否を確認する

災害発生時には、従業員一人ひとりの安否を迅速に把握することも必須です。電話やメール、安否確認システムなど複数の手段で情報を収集・集約することで、被災状況を正確に把握し、必要な支援を迅速に行うことが可能になります。

二次被害を防止する

災害発生時には、火災や漏電、建物の倒壊などの二次被害にも注意が必要です。従業員の安全を確保したうえで被害状況を迅速に確認し、危険箇所への立ち入りを制限する必要があります。また、消火器や通報設備の活用に加え、必要に応じて電気設備を停止するなど、被害の拡大を最小限に抑えるための初期対応が求められます。

情報を収集し、社内外へ発信する

災害発生時には、正確な情報を迅速に収集し、社内外に適切に伝えることが不可欠です。社内では従業員の安否や被害状況を共有し、取引先や顧客には業務への影響や復旧の見込み、代替対応の有無などを連絡します。これにより、関係者間で情報を共有し、必要な支援や調整をスムーズに行える体制の維持につながります。

【事後対応】企業防災の主な取り組み

災害発生後は、被害状況の確認や復旧作業を迅速に進めることが求められます。ここでは、災害後に企業が実施すべき対応についてご紹介します。

被害状況を把握・記録する

災害発生後に最優先で行うのは、建物や設備、物品の被害状況を迅速かつ正確に把握することです。被害の範囲や程度を写真や報告書で記録することは、復旧作業や保険請求の根拠となります。さらに、記録を整理・保管することで、今後の防災計画の改善や再発防止策の検討にもつながります。

事業を継続・代替運営する

災害発生後に事業を早期に再開できるよう、バックアップ拠点や在宅勤務の活用など、代替運営体制を実行します。事前に定めた重要業務の優先順位に基づき対応を進めることで、被害を受けた拠点があっても事業継続を進めやすくなります。

取引先や顧客へ対応・説明する

災害発生後は、取引先や顧客への影響を最小限に抑えるため、迅速に状況を報告・説明することも必要です。業務遅延や納期変更の情報を正確に伝え、今後の対応方針や再開予定を共有することで、信頼関係の維持につながります。なお、問い合わせへの対応窓口は集約することで会社として迅速かつ的確な回答ができるようにし、また情報の錯そうも防ぐようにしましょう。

復旧計画を実行する

災害発生後は迅速に業務再開を図ると共に、事前に策定した復旧計画に基づき、建物や設備の修復、システムの再稼働、在庫や資材の補充など事前に設定した優先度に従って実施します。

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対応を振り返り、改善する

災害対応後は、実施した対応の効果を振り返り、課題や改善点を明確にすることが不可欠です。被害状況や初動対応の状況を評価し、訓練内容やマニュアルを見直すことで、次の災害時により迅速かつ的確に対応できる体制を構築できます。さらに、改善点を社内で共有し、組織全体の防災意識を高めることも有効です。

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まとめ

自然災害は、いつ発生するのか予測がつきません。災害対策マニュアルや事業継続計画を策定し、万が一に備えることが大切です。また、これから本格的な企業防災に取り組む場合、法人企業向けの防災サービスを利用することも有効です。
防災備蓄品準備の一例として、パソナ日本総務部では、防災備蓄品の新規購入・在庫管理・賞味期限通知・不用備蓄品引き取りを一括でお受けする「防災備蓄品ワンストップサービス」を提供しています。防災における危機管理の第一歩として、参考にしてみてはいかがでしょうか。

ほかにも、従業員向け防災eラーニング「そなトレ」やVRを用いて災害時の再現を行う「バーチャル防災訓練」のサービスは、従業員の防災スキルを上げる高度な訓練が可能であるとともに、危機意識の啓蒙につなげることができます。

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