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2025年12月24日 配信
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3Dプリンタでの造形を依頼するメリット・おすすめのサービスをご紹介

3Dプリンタでの造形を依頼するメリット・おすすめのサービスをご紹介
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3Dプリンタを使った試作や小ロット生産は、開発スピードや品質向上に有効ですが、自社で機器を導入するには費用や人材確保の負担もあります。外部業者に依頼することで、複雑な形状や高精度な造形にも対応でき、必要なときだけ効率的に利用できます。

今回は、3Dプリンタでの造形を業者に依頼するメリットや業者を選ぶ際のチェックポイント、3Dプリンタでの造形を依頼できるサービスなどをご紹介します。

3Dプリンタでの造形を業者に依頼するメリット

3Dプリンタを活用した試作や小ロット生産は、製品開発のスピードアップに欠かせない手法となっています。しかし、自社で機器を導入・運用するには時間やコスト、人材確保などのハードルも少なくありません。そこで有効なのが、外部の造形サービスを活用する方法です。
ここでは、3Dプリンタでの造形を業者に依頼する主なメリットを3つご紹介します。

開発の幅が広がる

3Dプリンタによる造形を外部の業者に依頼する大きなメリットのひとつが、開発の幅が広がることです。業者は複数の造形方式(FDM[熱溶融積層]、SLA[光造形]、SLS[粉末焼結]など)や幅広い素材に対応しており、目的に応じて最適な組み合わせを選択できます。自社で設備をそろえる場合、機器や材料のラインナップにはどうしても限界がありますが、外部サービスを活用すれば、より複雑な形状や高精度な試作、耐熱・耐久性が求められるパーツなど、多様なニーズに柔軟に対応できます。その結果、検証の選択肢が増え、開発スピードの向上や製品の品質向上にもつながります。

設備投資や人件費を抑えられる

3Dプリンタでの造形を業者に依頼することで、設備投資や人件費を大幅に抑えられる点も大きなメリットです。高性能な3Dプリンタは導入コストが高く、材料の在庫管理や定期的なメンテナンスにも費用がかかります。また、造形条件の設定や後加工を担当できる人材の育成にも時間とコストが必要です。外部の造形サービスを利用すれば、これらの負担をすべて業者側に任せられ、必要なときに必要な量だけ発注できるため、無駄な固定費を抱えずに済みます。開発リソースを本来の業務へ集中できる点でも、外注は非常に有効な選択肢と言えます。

専門知識やノウハウを活用できる

3Dプリンタでの造形を業者に依頼するメリットとして、専門知識やノウハウを活用できる点も挙げられます。素材ごとの特性理解、最適な造形方向や肉厚設計、歪みや反りを抑えるための条件設定など、精度の高い造形には高度な技術が欠かせません。多くの造形実績を持つ業者であれば、用途に応じた造形方式の選定やデータ修正のアドバイスなど、プロならではの提案が可能です。そのため、初めての試作や難易度の高いパーツでも、品質を確保しながらスムーズに進められます。自社に専門人材がいない場合でも、確かな技術力を活かした開発が実現します。

3Dプリントを業者に依頼する流れ

ここでは、3Dプリントを業者に依頼する一般的な流れをご紹介します。

1.3Dデータをアップロードする

まずは、造形したいパーツの3Dデータを業者の専用サイトや依頼フォームにアップロードします。データを読み込むと、自動で形状チェックや概算見積もりが表示されるサービスも多く、材料や造形方式、数量などの条件を選択するだけで簡単に依頼準備が進められます。

また、電話やメールなどで直接問い合わせることも可能です。用途や求める強度、納期などを伝えることで、最適な造形方法や素材を提案してもらえるため、初めて3Dプリントを依頼する場合でも安心です。

2.データの確認後に見積もりが提示される

3Dデータをアップロードすると、業者が形状やサイズ、素材の適性などを確認します。そのうえで、造形にかかる費用や納期の見積もりが提示されます。見積もり内容には、材料費、造形手数料、後加工の有無なども含まれるため、総合的なコストを把握できます。

3.注文後に造形が行われる

見積もり内容に納得したら正式に注文を行います。注文を受けた業者は、3Dプリンタを用いて造形を開始します。造形中は、精度や仕上がりを確認しながら進められる場合もあり、複雑な形状や後加工が必要な場合もプロの技術で対応されます。造形が完了すると、必要に応じて洗浄や研磨、塗装などの後加工を行い、完成品として出荷されます。

4.受け取る

造形と必要な後加工が完了したら、完成品が届けられます。到着後は、形状や寸法、表面の仕上がりなどに問題がないかを確認しましょう。万一不具合や不足があれば、業者のサポートを受けて対応可能です。これにより、自社で機器や作業スペースを用意せずとも、高精度な3Dプリント品を手軽に入手できます。

3Dプリントの業者を選ぶ際のチェックポイント

3Dプリントの造形を業者に依頼する際は、単に「頼める」というだけで選ぶと、仕上がりや納期、コストに思わぬ影響が出ることがあります。用途や求める品質に応じて適切な業者を選ぶためには、事前にチェックしておきたいポイントがあります。
ここでは、業者選びの際に重要な5つのポイントをご紹介します。

造形方式

3Dプリント業者を選ぶ際、まず注目したいのが「造形方式」です。3DプリンタにはFDM、SLA、SLSなど複数の方式があり、それぞれ得意な形状や仕上がり精度、耐久性が異なります。そのため、依頼するパーツの用途や求める品質に合った造形方式を扱える業者を選ぶことが大切です。

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対応素材

3Dプリント業者を選ぶ際には、「対応素材」も重要なチェックポイントです。樹脂や金属、ゴム系など、プリント可能な素材は業者によって異なります。素材ごとに強度や耐熱性、柔軟性、表面仕上げの特性も変わるため、用途に適した素材を選べる業者であることが大切です。また、複数の素材に対応していれば、試作段階でさまざまな選択肢を検討でき、製品開発の自由度が高まります。必要に応じて、業者に具体的な材料サンプルや仕様を確認すると安心です。

オプション

3Dプリント業者を選ぶ際は、「オプション」の有無も確認しておきましょう。造形後の研磨や塗装、表面処理、組み立て、穴あけなどの後加工に対応している業者であれば、完成品の品質や見た目をより高めることができます。また、データ修正やサポートサービス、短納期対応などもオプションとして提供されている場合があります。
こうした付加サービスを活用することで、自社で手間をかけずに高品質な試作品や製品を手に入れられるため、開発効率の向上にもつながります。

納期

3Dプリント業者を選ぶ際は「納期」も重要なチェックポイントです。試作や製品開発ではスピードが求められることが多く、納期が遅れると開発スケジュール全体に影響が出る可能性があります。業者によっては、急ぎ対応や短納期サービスを提供している場合もあるため、希望する完成日までに対応可能かを事前に確認しておくことが大切です。
また、繁忙期や複雑な造形の場合は通常より時間がかかることもあるため、余裕を持ったスケジュール調整も検討しておくと安心です。

費用

3Dプリント業者を選ぶ際には、「費用」も重要なチェックポイントです。造形料金は材料の種類や造形方式、サイズ、後加工の有無によって大きく変わります。また、数量や納期によっても費用が変動する場合があります。単純に安さだけで選ぶと、仕上がりや品質に影響が出ることもあるため、コストと品質のバランスを確認することが大切です。複数の業者で見積もりを比較し、総合的に最適な選択をすることで、無駄な費用を抑えつつ開発効率を高めることができます。

ここまでご紹介した「造形方式」「対応素材」「オプション」「納期」「費用」は、いずれも3Dプリント業者を選ぶうえで欠かせない重要な判断基準です。ただし、案件ごとにこれらの条件を満たす業者を探し、その都度比較・選定を行うのは、担当者にとって大きな負担となる場合もあります。

そのため、複数の造形方式や幅広い素材(材料)のラインナップを備え、用途や目的に応じた提案ができる業者を選ぶことが、結果的に効率的で安心な選択といえます。造形方式や材料が限定されていない業者であれば、試作段階から本番製作までを一貫して相談でき、開発フェーズごとに業者を切り替える手間を省くことができます。

また、造形だけでなく後加工や納期調整、データ管理まで含めて総合的に対応できる体制が整っていれば、品質・スピード・コストのバランスを取りながら、スムーズに3Dプリントを活用することが可能です。こうした観点から、技術力だけでなく対応範囲やサポート体制を含めて業者を選ぶことが重要です。

3Dプリンタでの造形を依頼できるサービス3選

ここでは、3Dプリンタでの造形を依頼できるサービスをご紹介します。

パソナ日本総務部「3Dモノづくりサービス」

パソナ日本総務部が提供する「3Dモノづくりサービス」は、複数の造形方式や幅広い素材(材料)に対応し、用途や目的に応じた最適な加工方法を提案できるワンストップ型の3D造形サービスです。樹脂による3Dプリントをはじめ、切削加工やダイレクト印刷加工など、多様な加工手法を組み合わせて利用できるため、試作や評価、治具作成などのニーズに幅広く対応しています。

造形方式や材料ごとに業者を選び直す必要がなく、開発段階や用途に応じて一貫して相談できる点も特長です。必要な数量を柔軟に製作できるため、試作段階での検証や設計変更を伴うものづくりにも適しています。

また、パナソニックグループとのアライアンス体制を活かした豊富な設備とノウハウにより、高品質な3D製作品を提供。データや製作品は高いセキュリティ環境で管理され、スピーディーな見積もりと短納期での納品にも対応しています。

合同会社DMM.com「DMM.make」

合同会社DMM.comの「DMM.make」は、個人から企業まで幅広く利用できる3Dプリントサービスです。特徴のひとつは「豊富な素材バリエーションと造形方式を持ち、用途に応じた選択ができる点」です。たとえば、量産向けのナイロン (MJF/SLS)、高精細な光造形、また樹脂・ゴムなど多様な素材に対応しており、試作品から本番製品、治具、デザインモデル、工業部品まで幅広く対応しています。
さらに、最短翌日発送のスピード納品にも対応しており、試作サイクルを短縮したい場合や緊急の製作依頼において、即時性を重視するユーザーにも適しています。

リコージャパン「3Dプリンター出力サービス」

リコージャパンの「3Dプリンター出力サービス」は、3Dプリントを活用した試作や部品製作に対応するサービスです。ナイロンや各種樹脂など、用途に応じた豊富な造形材料に対応しており、高精細造形や耐久性の高い試作など、さまざまなニーズに応えられます。
さらに、造形後の研磨、塗装、穴径仕上げ、切削などの充実した後加工オプションが利用可能です。スピーディーな見積もりと短納期での納品にも対応しており、試作や製品開発に活用できます。

まとめ

3Dプリンタによる試作や小ロット生産は、開発効率の向上や多様な設計検証に役立つ手法です。しかし、高精度な造形や素材選定、後加工には専門知識が必要で、自社だけで対応するのは簡単ではありません。用途や目的に応じた業者に依頼することで、効率的に高品質な製作品を得られます。3Dプリントを検討中の方は、外部サービスの活用をぜひ視野に入れてみてください。

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