バイオフィリックデザインとは?効果・メリットやオフィス導入事例をご紹介
バイオフィリックデザインとは?効果・メリットやオフィス導入事例をご紹介
ハイブリッドワークやオフィス出社など働き方の選択肢が増えたことに伴い、企業はその時々で自社にとって最適なワークスタイルを模索する必要があります。また、理想とする働き方を実現するために、定期的にオフィスを見直していくことも重要です。もしも、オフィスをコミュニケーションの活性や共創の場として活用したいと考えているなら、オフィス空間改善方法のひとつである「バイオフィリックデザイン」の導入に目を向けてみてはいかがでしょうか。オフィスに自然を感じられる要素を取り入れることで、生産性やモチベーションの向上、ストレスや疲労感の軽減などの効果が期待できるとされています。 今回は、バイオフィリックデザインの概要と導入するメリット、注意すべきポイントについてご紹介します。社内環境を変えたいとお考えの方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
バイオフィリックデザインとは?
「バイオフィリックデザイン」とは、空間に自然の要素を取り入れ、人の健康と幸福を向上させるデザイン手法のこと。1984年にアメリカの生物学者エドワード.O.ウィルソンによって提唱された「人間には“自然とつながりたい”という本能的欲求がある」という「バイオフィリア理論」に基づいています。
バイオフィリックデザインが注目されている理由
人間は、ビルが立ち並ぶ人工的な環境よりも、緑あふれる自然環境を好む性質にあるということがさまざまな研究で明らかにされています。好むだけでなく、免疫力やメンタルヘルスの向上にも効果的であることもわかってきている一方で、ビルに囲まれた都市空間で長い時間を過ごすのが、多くの現代人のライフスタイルです。つまり、普段から自然と触れ合うためには、意識的に自宅やオフィスなど、日常生活を過ごす場所に自然を取り入れる必要があるのです。ウェルビーイングへの関心の高まりとともに、年々注目が高まっているのが「バイオフィリックデザイン」です。
「バイオフィリア」については「 バイオフィリアでオフィス環境を一新!緑を取り入れる効果と導入例」の記事でも紹介しています。
GoogleやAmazonは以前からバイオフィリックデザインをオフィスに取り入れていることで有名ですが、日本でもウェルビーイングや健康経営、WELL認証への取り組みが重視されるようになるにつれ、多くの企業が植物や音、水といった自然とつながる要素を積極的にオフィス空間に活用するようになってきています。
オフィスにバイオフィリックデザインを取り入れる効果・メリット
オフィスにバイオフィリックデザインを取り入れることで期待される効果には、さまざまなものがあります。ここでは代表的な3つのメリットをご紹介します。
1. 幸福度・生産性・創造性の向上
バイオフィリックデザインの導入効果については、ロバートソン・クーパー社の研究結果がよく知られています。オフィスにいながら植物や自然光など自然を感じられる要素が身近にある環境は、そうでない環境に比べて、幸福度が15%、生産性が6%、創造性が15%高くなるというもので、職場におけるバイオフィリックデザインが従業員のストレスを軽減し、ウェルビーイングに大きな影響を与えることを示しています。
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2.インナーコミュニケーションの活性化
バイオフィリックデザインには、空間の印象を柔らかくし、リラックスさせる効果があります。それは個人レベルでの効果に限ったことではなく、例えば水が流れる音や鳥のさえずりといった自然音が何気なく流れていることで、静かになりすぎずに会話がしやすくなる効果も期待できます。コミュニケーションが誘発されれば、雑談からイノベーションに発展したり、帰属意識が高まるなど、チームにとっても多くのメリットがあります。ひいてはリクルーティングやリテンションも含めた、社員エンゲージメントの向上にもつながっていくと考えられます。
3. 企業信頼度やイメージの向上
ビルやオフィスなどの空間を「人間の健康」に対する影響という視点で評価する「WELL認証」は、2014年にアメリカでスタートして以降、健康経営やウェルネスへの関心の高まりに伴って存在感を増しています。評価項目のひとつ「MIND(こころ)」には、自然とのつながりという要件が挙げられ、従業員のウェルビーイングに対してバイオフィリックデザインが効果的であることが認められているといえます。有形資産だけでは企業価値を判断しにくくなっている今、人や環境に配慮する姿勢は、企業のイメージアップや、投資家・従業員をはじめとするステークホルダーへのアピールにおいても重要な役割を果たします。
パソナ日本総務部の空間ソリューション「COMORE BIZ(コモレビズ)」では、バイオフィリックデザインを取り入れたワーププレースづくりをご提案しています。
バイオフィリックデザインのオフィス導入事例
オフィスにバイオフィリックデザインを取り入れる場合の注意点
バイオフィリックデザインを取り入れる場合に、注意すべきポイントを3つご紹介します。
1.定期的なメンテナンスが必要である
オフィスに植物を導入した場合、定期的にメンテナンスを行う必要があります。水やりや掃除などのメンテナンスは想像以上に手間がかかるため、導入規模が大きくなれば業務の合間にサッとできるものではありません。また室内で植物を生育するには専門知識が求められることもあり、適切な管理ができずに枯れてしまうことも考えられます。
バイオフィリックデザインの効果を長く実感するためには、従業員全員で協力してメンテナンスを行う、もしくはメンテナンスを外部に委託する必要があります。
2. 専門家に相談する
導入後のメンテナンスに限らず、導入前から専門家に相談することをお勧めします。バイオフィリックデザインというと屋内緑化、つまり植物を置くと考えられがちですが、ただ植物を置けばいいというわけではありません。望む効果を得るためには、適切な植物を適切な量・配置で設置する必要があります。また、より自然を感じられる空間づくりには、植物による視覚へのアプローチだけでなく、香りや音、家具デザインなど五感全体に訴える要素と組みあわせることが重要です。導入後の従業員の手間を減らすだけではなく、効果を発揮・持続させるためにも、導入やメンテナンスについてはぜひプロに委託することをお勧めします。
3. 導入意図や活用方法・運用を周知する必要がある
担当者が目的をもって導入しても、オフィスを使う従業員全員がしっかりと意図や活用方法を理解していないと期待する効果は半減してしまいます。生きた植物や水など、自然要素が近くにあることの効果や、業務内容に合わせたエリアの使い方を伝えることで、オフィス活用のモチベーションが向上し、バイオフィリックデザインの効果が最大限に発揮されます。
バイオフィリックデザインの導入でオフィスの価値向上を!
株式会社パソナ日本総務部のバイオフィリックデザインソリューション「 COMORE BIZ(コモレビズ)」は、さまざまな実証実験による科学的エビデンスに基づいて、植物や自然音を融合させた空間づくりを行うことが最大の特長です。ただ職場の見栄えをよくするのではなく、ストレスや疲労感の軽減、モチベーションや集中力の向上といった効果を促し、ワーカーと企業にとって価値のあるワークプレースをご提案しています。
この数年で、働き方や働く場所の選択肢は劇的に増えましたが、仕事をする上で人と人とのコミュニケーションが重要であることは変わりません。職場をコミュニケーションの活性や共創の場として活用し、従業員が行きたくなるオフィスにしたいと考えているなら、ぜひバイオフィリックデザインの導入を検討してみてはいかがでしょうか。