シェアードサービスを利用するメリット・デメリットは?BPOとの違いも解説

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2025年06月25日 配信
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シェアードサービスを利用するメリット・デメリットは?BPOとの違いも解説

シェアードサービスを利用するメリット・デメリットは?BPOとの違いも解説
BPO

企業の成長に伴い、人事・総務・経理などの間接部門の業務は複雑化・煩雑化していきます。こうした課題に対応する手段として、近年注目されているのが「シェアードサービス」です。

今回は、シェアードサービスの概要や具体的な形態、BPOとの違い、導入のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

シェアードサービスとは?

シェアードサービスとは、企業の業務効率化やコスト削減を目的に、グループ企業内の共通業務を一か所に集約し、専門組織として提供する仕組みのことです。人事や総務、経理、ITサポートなどの間接業務に広く活用されており、近年その有効性が注目を集めています。
以下で、シェアードサービスの形態と、混同されやすいBPOとの違いについて解説します。

シェアードサービスの形態

シェアードサービスは、共通業務をどのような体制で集約・提供するかによって、いくつかの形態に分けられます。業務の特性やグループ全体の戦略に応じて、最適な形を選択することが重要です。 ここでは代表的な形態として、「本社に配置」と「子会社として独立」の2つのパターンをご紹介します。

本社に配置する

シェアードサービス機能を本社組織の一部として設置し、グループ各社に共通業務を提供する方式です。この方式では、コストや管理面での一体運用が容易であり、ガバナンスを効かせやすいのが特長です。また、新たな法人設立が不要なため、初期導入費用を抑えつつ比較的スムーズに導入が可能です。一方で、グループ各社の独自性が高い場合や、本社の負担が大きくなりすぎるケースでは、一部の機能を分離するなどの検討が必要になることもあります。

子会社化する

シェアードサービス機能を本社から切り離し、専門の子会社として独立させる方式です。この方式では、共通業務を子会社に集約し、グループ各社にサービスを提供します。子会社化によって専門性の高い人材の確保や業務の高度化が可能になるほか、将来的には外部企業へのサービス提供も視野に入れられる点がメリットです。ただし、設立や運営には一定のコストがかかり、ガバナンス体制の整備も求められます。

BPOとの違い

シェアードサービスとBPOは、どちらも業務の効率化やコストの見直しを目的とした場合に検討される手法ですが、その運用形態には大きな違いがあります。シェアードサービスは、企業グループ内で共通業務を集約し、自社の中で提供する仕組みです。一方、BPOは業務を外部の専門業者に委託する形態です。

シェアードサービスの対象業務

シェアードサービスを利用するメリット・デメリットは?BPOとの違いも解説 シェアードサービスの対象業務

シェアードサービスは、企業内のさまざまな共通業務を集約・標準化して効率的に処理することを目的としているため、主に定型的かつルールベースで対応できる業務が対象です。 以下で代表的なシェアードサービスの対象業務をご紹介します。

人事業務

人事業務はシェアードサービスの対象となりやすい分野です。具体的には、採用管理、入退社手続き、勤怠管理、給与計算、人事データの管理、社会保険や福利厚生の手続きなどが対象になります。これらを一括して管理することで、業務の効率化と品質の均一化を図ることができます。

総務業務

総務業務もシェアードサービスが導入されやすい分野といえます。備品管理、施設管理、文書管理、社内行事の運営、契約書の管理などが含まれます。これらの業務を集約することで、グループ全体の運営効率が向上し、業務内容の標準化が期待できます。

経理財務

経理財務はシェアードサービスの導入効果が大きい分野です。仕訳入力、請求書処理、支払管理、経費精算、決算業務、資金繰り管理など、ルール化しやすい業務が多く含まれるためです。業務を集約することで、処理の迅速化やミスの削減、内部統制の強化が期待できます。

IT業務

IT業務にシェアードサービスを導入するケースもあります。対象業務には、社内システムの運用・保守、ヘルプデスク対応、アカウント管理、ソフトウェアのライセンス管理などがあげられます。これらを集約することで、IT資源の最適化、セキュリティ強化、業務効率の向上が期待できます。

シェアードサービスを利用するメリット

シェアードサービスを利用するメリットは、主に以下の4つです。

コストを削減できる

シェアードサービスを導入するメリットのひとつがコスト削減です。各部署やグループ企業に分散していた業務を集約し、標準化することで重複作業を解消し、人的リソースをより効率的に活用できます。さらに、業務フローが見直されることにより、全体の運用コスト削減も期待できます。

業務品質が向上する

シェアードサービスでは、業務を専門組織に集約し、標準化・マニュアル化することで業務品質の向上が期待できます。これにより、担当者による対応のばらつきが減り、正確で一貫性のある処理が可能になります。また、専門性の高い人材を集中して配置することで、ミスの削減や対応スピードの向上にもつながります。

人的リソースを有効活用できる

シェアードサービスの導入により、定型業務が集約されることで、各部署やグループ会社では本来注力すべきコア業務に人材を集中させることが可能になります。これにより、リソースの有効活用が進むだけでなく、全体として業務の生産性や戦略遂行力の向上につながります。

グループ経営を強化できる

シェアードサービスを導入すると、グループ全体の業務プロセスやルールが統一されるため、業務の透明性が高まり、不正やミスの抑止にもつながります。さらに、データや業務情報を一元的に管理することができ、迅速な経営判断や内部統制の強化にも役立ちます。こうした取り組みによって、グループ経営全体の統制力やガバナンスを強化することが可能です。

シェアードサービスのデメリット

シェアードサービスのデメリットは以下の通りです。

運用開始するまでにコストと時間がかかる

大きな組織改革ともいえるシェアードサービスの導入には、多くの労力とコストが必要です。
効率的な業務フローの統一に向けた業務の洗い出しや標準化、システム整備など多くの準備が必要です。長期的に見れば前述した多くのメリットを見込めますが、短期的には負担が大きく感じられることもあり、導入効果を実感するまでに時間を要するケースもあるかもしれません。

トラブル発生時に迅速な対応が難しい

シェアードサービスでは業務を一元的に管理するため、トラブルが発生した際に各部署や現場への対応が遅れる可能性があります。特に現場との物理的な距離がある場合は、状況の把握に時間がかかり、迅速な対応が難しくなることがあります。その結果、業務が停滞し、関係部門への影響が広がるリスクも高まります。

社員のモチベーションが下がる可能性がある

シェアードサービスでは業務を効率化するために、定型的で繰り返しの多い作業を集約するケースが一般的です。その結果、定型的で繰り返しの多い作業に従事することになった従業員は、やりがいや成長の実感を得にくくなり、モチベーションの低下を招く可能性もあるでしょう。

総務業務を効率化するなら「総務BPOサービス」がおすすめ

企業の成長に伴い、総務の担当領域や業務内容は増え、煩雑化する傾向があります。このような状況を受け、業務の効率化を目的にシェアードサービスの活用を検討するグループも増えています。しかし、実際に運用を始めるまでには業務の標準化や体制の整備など、多くの課題があり、決して簡単には導入できるものではありません。
そこで、総務業務の効率化を目指す場合は、パソナ日本総務部の「総務BPOサービス」の活用がおすすめです。

総務BPOサービスでは、「総務庶務業務」「総務コンシェルジュデスク(社内問い合わせ窓口)」「郵便業務(社内外メール配送)」「什器・備品管理」など、企業のさまざまな業務をサポートします。業務の標準化や専門性の高い人材による対応により、品質の向上やコスト削減が期待できるだけでなく、社内のリソースをコア業務へと集中させることも可能になります。業務負担の軽減と同時に、組織全体の生産性向上を図る手段として、総務BPOサービスは有効な選択肢のひとつです。

「社内リソースが不足している」「ルーティン業務に追われて本来の業務に集中できない」といった課題を感じているのであれば、ぜひパソナ日本総務部にご相談ください。

まとめ

シェアードサービスを利用するメリット・デメリットは?BPOとの違いも解説

シェアードサービスは、共通業務の効率化とガバナンス強化に有効な手法であり、企業グループ全体の生産性向上に寄与します。一方で、導入までの準備や運用体制の整備には一定の時間とコストが必要です。総務業務の効率化や、総務としてのコア業務に集中できる環境構築を推進したい方は、BPO(アウトソーシング)を検討してみてはいかがでしょうか。

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パソナ日本総務部が考えるBPO(業務委託)とは、一般的な「業務整理」だけではなく、企業の未来を実現するための「業務改善」を指します。時には、「業務改革」と呼べるような劇的な変化をもたらすこともあります。
そのために必要な人材が、設計を行うコンサルタントと、それを実現するプロジェクトマネージャーです。多面的な知識を有したコンサルタント陣が、経営陣へのヒアリングなどを通して現状を把握。綿密な分析を経て、それぞれのコア・ノンコア領域を整理し、BPOの設計を行っていきます。
その後、プロジェクトマネージャーが、コンサルタントの設計を実現すべく、業務の再現性などを考慮しながら、BPOを実現していきます。

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